「神戸で地震起きると思わず」地震考古学者が被災者の言葉にがくぜん「過去知れば備えられる」
京都新聞 / 2024年2月2日 8時0分
2024年は元日から石川県能登地方が震度7の激震に襲われ、地震はいつどこで起きるのか分からないことが改めて示された。そのような中「関西の大地震を考える」と題した講演会が、京都府亀岡市のガレリアかめおかであった。地震考古学者の寒川旭さんが過去の資料や発掘調査を元に、被害や教訓などを解説した。
日本列島は古代から激しい揺れに繰り返し見舞われ、古文書に多く書き残されている。日本書紀には、684年の南海地震で太平洋沿岸に津波が押し寄せたり、愛媛県の道後温泉の湯が止まったりした記録がある。寒川さんは「(古文書は)政治的な記述はうそ偽りも多いが、自然現象についてはかなり正確に書かれている。ここまできちんとした記録があるのは日本だけ」と指摘した。
関西で甚大な被害が出た地震として、1596年9月の「慶長伏見地震」を取り上げた。各地の遺跡からは当時の痕跡が見つかっており、亀岡市や京都府八幡市などでは、地下の砂や水が地表に噴き出した液状化現象がくっきりと残っていることを写真で紹介。亀岡市の與能神社の棟札には、本殿の倒壊が書かれているという。
また「地震はナマズが起こす」というイメージは、この時代に生まれた。当時の天下人・豊臣秀吉は86年1月の「天正地震」の際に大津市で被災し、後に手紙で「地震」を「なまつ大事」と書いた。関連付けた最古の文献で「琵琶湖は日本最大のナマズの生息地。秀吉は湖で暴れている様子を見ていたのではないか」と推察した。
1995年1月の阪神大震災にも言及。活断層が起こす地震は波長が短く、木造2階建ての家屋の場合、1階に地面から伝わる力が集中する。そのため1階が押しつぶされることが多くなるメカニズムを説明した。
寒川さんは、調査で訪れた際に被災者から「神戸で地震が起きるとは思っていなかった」と言われ、がくぜんとしたエピソードも披露。慶長伏見地震では神戸でも大きな被害が出ており、六甲山には活断層がある。「過去の地震を知っていれば、関心を持って備えることができたはずだ」と自戒を込めて強調した。
「丹波学トーク」(生涯学習かめおか財団主催)のシリーズ「地震と丹波」の1回目として、1月28日に開催された。
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