300年以上前に描かれた「涅槃図」100年ぶりに修理 地元の釈迦堂でお披露目
京都新聞 / 2024年2月15日 7時0分
滋賀県守山市赤野井地区に伝わる300年以上前に描かれた掛け軸「涅槃図(ねはんず)」が、100年ぶりに修理された。美しい着色はそのままに、劣化していた紙を補強した。釈迦(しゃか)の命日の15日に地元の釈迦堂で営まれた涅槃会(え)でお披露目され、地元自治会は「地域ならでの大切な文化財を継承していきたい」としている。
涅槃図(紙本著色)は、縦約2メートル40センチ、横1メートル60センチ。横たわる金色の釈迦を取り囲むように、弟子や菩薩(ぼさつ)、白象(はくぞう)、獅子、クジャク、トンボなどが悲しむ様子が色鮮やかに描かれている。
江戸時代の赤野井村の大庄屋だった諏訪家の当主が新調し、1702(元禄15)年の涅槃会に合わせ、寄進したとの銘が残っている。京都の「寺町二条上ル町」と記載があり、製作した絵師の住所とみられている。その後、1896(明治29)年に大水害で被害に遭い、1924(大正13)年に諏訪家が費用を出して修理された。
掛け軸は現在、赤野井自治会が管理している。傷みがひどくなってきたため、他の浄土曼荼羅(まんだら)図や地獄図3幅と合わせ、昨年、市内の専門家を通じて大津市内の文化財修復工房に修理を依頼した。
全体に見られた横折れや縦じわ、亀裂は美濃紙で補強したほか、にかわで剥落(はくらく)止めを行い、軸首(じくしゅ)や軸木を新調した。4幅合わせて約360万円かかった費用は、寄付のほか自治会や町内会の積立金でまかなった。
赤野井自治会の鈴木繁幸会長(63)は「前回の修理から100年という節目に、また修理することができて良かった。新しい住民も増えている中、これからも大事に受け継いでいってほしい」としている。
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