「返したいから助けて」借金相手にLINEで窮状訴え 強殺疑い再逮捕の女、事件直前に
京都新聞 / 2024年2月28日 13時15分
滋賀県近江八幡市の琵琶湖岸で愛知県の男性の遺体が見つかった事件で、強盗殺人などの疑いで再逮捕された同県北名古屋市の風俗店店員市橋由衣容疑者(27)が、事件発生時間の直前に、借金返済の窮状を訴える切迫した内容のLINE(ライン)メッセージを知人へ送っていたことが、28日分かった。滋賀県警捜査本部(近江八幡署)によると、市橋容疑者はホストクラブの遊興費を得るために複数の知人から借金をしていたといい、捜査本部はこうした事情が事件の動機になった可能性があるとみている。
名古屋市内の風俗店で約5年前に市橋容疑者と知り合ったという男性が京都新聞社の取材に応じた。男性によると、2022年の夏ごろ、しばらく連絡が途絶えていた市橋容疑者から急に「(風俗店の)スカウトから金を借りている。どうしても返さないといけない」という趣旨のLINEが届いた。200万円を貸したが、4カ月ほどで月々の返済が途絶えた。催促すると、昨年10月、「スカウトの借金の利息で余裕がない。残り20万円払えば返していける」と返信があり、公正証書も作成して追加で貸したものの、返済金が振り込まれることはなかった。
今年1月7日には「150万円貸してほしい」と再び無心があり、男性は「(スカウトに)脅されているのなら警察に行こう」と伝えたが「警察は何もしてくれない」と返信があった。
被害者が殺害されたとされる時間の6~7時間前の1月15日正午ごろには、「返したいから助けて欲しい」「助けてくれんと本当になんも返済できんくなる」と、切迫した文言で追加の借用を求めるメッセージが男性のもとに届いた、という。
捜査本部は27日、強盗殺人や死体遺棄などの疑いで市橋容疑者と愛知県豊川市の会社員加藤徹容疑者(45)を再逮捕した。逮捕容疑は共謀して1月15日午後6時半ごろ、同県あま市の不動産業丹羽正美さん=当時(55)=の自宅に侵入して金品を物色、同6時45分ごろに帰宅した丹羽さんの首を絞めて殺害して、キャッシュカードなどを奪い、近江八幡市の琵琶湖に遺体を遺棄した疑い。
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