人呼んで「スイーツ公務員」 プロ差し置きコンテスト優勝 原動力は「市民の笑顔」
京都新聞 / 2024年2月21日 15時32分
製菓衛生師の資格を持つ京田辺市職員の谷直紀さん(41)。大学時代のアルバイトをきっかけに始めたお菓子作りで高い腕前を誇り、市内の教室で講師も務める。人呼んで「スイーツ公務員」。「市民に楽しんでもらえることがやりがい。自分も食べた人も笑顔になれるのがスイーツの良さ」と語る。
同市出身。大学4年の時、京都市内の有名店「キルフェボン」で調理のアルバイトを始めた。主要な調理工程を任されるほどに経験を重ね、パティシエの道に進むことも考えたが、休みなく働く社員の様子に「一生やっていくのは大変」と悩み、市役所への就職を決めた。
就職後はお菓子作りを趣味として楽しんできたが、「自分の腕を確かめたい」との気持ちが募った。2010年、京田辺市商工会主催の地元農産物の創作スイーツ料理コンテストに参加し、初の応募ながら優秀作品賞を受賞した。4年後に行われた宇治市での「宇治茶と源氏物語」スイーツコンテストでは、審査委員長のパティシエ・鎧塚俊彦さんに高評価を受け、プロも含む参加者の中から、なんとグランプリに輝いた。その後も山城地域内外で受賞を重ねた。「出場には時間も体力も必要。休みの日は素材、組み合わせのことばかり考え、何度も試作する。納得する形に作り上げたい」。こだわりはプロ顔負けだ。
スイーツ作りの原動力は自身の熱意のほかに「市民の笑顔」も大きい。市や観光協会の講座や教室で教え、「楽しかったよ、と参加者に言ってもらえるのがやりがい」と笑う。2年前、市制25周年を特集した市広報誌の表紙は広報担当職員の提案で、谷さん特製のケーキが飾った。段取りや作業スペースの整理などお菓子作りに大切な動作は、市役所の業務にも役立っているという。
「今後は、京田辺の特産品を素材に使って、盛り上げに貢献したい。講師活動も続けて、市民の笑顔づくりに取り組んでいく」と話す。京都市左京区岡崎。
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