体内時計に従わないと脂肪肝に? シフト労働に適応できるかは「遺伝的背景に左右」 研究者「個人差踏まえ負担減を」
京都新聞 / 2024年3月9日 17時30分
勤務時間が一定期間で変わるシフト労働に適応できるかどうかは遺伝的背景に大きく左右される、とする研究結果を京都府立医科大学や立命館大学などのグループがまとめた。周期の長い夜型の体内時計を持つマウスは、健康障害が起きやすい傾向にあったという。
深夜を含むシフト労働は睡眠障害や免疫機能の低下、心血管疾患、メタボリック症候群、不妊症・月経不順といったさまざまな「概日リズム障害」をもたらすとされる。体内時計の仕組みを解明した業績に対して2017年にノーベル生理学・医学賞の授与を決めたカロリンスカ研究所(スウェーデン)は、「体内時計に従わない生活を続けるとどうなるか」とさらなる研究を呼びかけていた。
研究グループは、概日リズム障害で発症が多い脂肪肝に着目。マウスの飼育環境の明暗を12時間ごとに切り替え、そのタイミングを4日ごとに8時間ずつ前倒しする「シフト」を1年間続けたところ、7割が脂肪肝を発症した一方で、3割は正常だった。
脂質の代謝などに関連する遺伝子を解析すると、脂肪肝を発症したマウスとそうでないマウスはそれぞれパターンが似通っていた。脂肪肝を発症しやすい遺伝子パターンは、体内時計の周期が長い「夜型」の傾向にあったことから、体内時計の個体差が概日リズム障害の発症しやすさに強く関連していると結論づけた。
同グループの八木田和弘・府立医大教授(統合生理学)は、「みんなしんどいところを頑張っている」「頑張らないと成長しない」といった一方的な見方が職場環境の改善を妨げているのではないか、とした上で、「シフト労働に適応できるかどうかには個人差があると認識すべき。夜勤が欠かせない職場も多いが、柔軟な勤務シフトの設定など負担軽減の工夫が必要だ」と話している。
研究成果は2月、米科学誌に掲載された。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
睡眠不足・加齢と、肌再生の関係を研究。睡眠美容効果にアクセルをかける、夜用美容ブーストマスク『アテニア ミッドナイトモイスチャライザー』2024年9月18日(水)リニューアル新発売
PR TIMES / 2024年7月2日 10時30分
-
断食ダイエットはむしろ「ポッコリお腹」になる…「スラっとした中高年」になるための最強習慣4つ【2023編集部セレクション】
プレジデントオンライン / 2024年7月1日 17時15分
-
アレルギー疾患に関連するゲノム領域の重要性を解明~気管支ぜんそくの新規治療法の開発に期待~
PR TIMES / 2024年6月27日 10時45分
-
【自閉スペクトラム症進行のモニタリングや治療薬の有効性評価に期待】脳由来神経栄養因子BDNFの産生障害と自閉症との関係を解明し新たな自閉症診断マーカーを提唱--金沢工業大学、富山大学、藤田医科大学など
Digital PR Platform / 2024年6月24日 14時5分
-
脳由来神経栄養因子BDNFの産生障害と自閉症との関係を解明し新たな自閉症診断マーカーを提唱
共同通信PRワイヤー / 2024年6月24日 13時30分
ランキング
-
1何度も叫んだ「助けて」 駆け付けたヤマト配達員らに称賛の声
毎日新聞 / 2024年7月6日 8時30分
-
2泉・立憲民主代表の交代論がささやかれるワケ 都知事選敗北なら責任論拡大、険しさ増す前途
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時30分
-
3「今日はやめよう、終わり」説明の場に係長不在で立腹し面談1分、長谷川岳参院議員“威圧的言動”新たに…要職就任で挨拶に行くと「遅いのは犯罪、帰って」「反省文」も
北海道放送 / 2024年7月6日 9時9分
-
4JR常磐線で死亡事故 60代の男性が電車の下に入り込む
福島中央テレビニュース / 2024年7月6日 6時12分
-
5「畑を途中でやめると、住民から嫌われることも…」地方移住5回の49歳男性が語る、“田舎暮らし”で心が折れた瞬間
文春オンライン / 2024年7月6日 6時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください