パン店の「売れ残りパン」集めて再販売 京都で行われている取り組みとは
京都新聞 / 2024年2月21日 7時0分
パン店に売れ残りパンを冷凍保存してもらい、それらを集めて再販売する取り組みを京都府亀岡市のパン愛好家ら4人が始めた。店を巡る中で耳にしたパンの廃棄に悩む職人の声をきっかけに、定価よりも安くお気に入りの詰め合わせを客が選んで買える方法を考えた。これまで京都市北区の1カ所だけで販売してきたが、2月28日に初めてJR亀岡駅南口で5店のパンなどを販売した。
パン好きが高じて職人の撮影や店のガイドにも取り組む写真家の田村泰雅さん(37)=亀岡市=や、農家民宿を営む村田麻実さん(31)=同=ら4人。京都新聞で「一日一パン」も連載していた田村さんは取材を通じて、天候などによって余ったパンを廃棄しないように、値引き販売したり近所に無料で配ったりと、苦慮していることを聞いた。
ほかに本業があるメンバーで取り組める廃棄対策として、売れ残ったパンをその日のうちに冷凍してためてもらい、月に数回まとめて帰宅時間に販売する「パン夜市めぐる」を企画。2023年10月から京都市北区鞍馬口通室町西入ルの納豆販売店「藤原食品×ムトーヨータドー」で始めた。
冷凍パンを宅配するサービスと違って、パン夜市ではメンバーが販売日に店を回ってパンを集めるため、個人宅への送料がかからない。現在は京都市内を中心に約10店のパンを扱い、店側に払うパン代に販売経費などを上乗せして売っているが、各店での店頭価格を上回らないように値付けしているという。
常温で販売し、消費期限は販売当日か翌日まで。詰め合わせは店ごとに3~5個のセットにしている。おいしく食べてもらうために、家庭で焼き直すポイントも紹介する。田村さんは「フードロス対策だけでなく、夜市で知らなかったパン屋さんと出会って、実際のお店に足を運ぶきっかけになるとうれしい」と話している。
京都市北区での次回販売は3月13日午後5時半ごろからを予定している。
販売情報は、アカウント名「パン夜市めぐる」でインスタグラムやX(旧ツイッター)で発信している。
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