住民参加映画で地元文化に迫る「監督さん」 自然やかやぶき家屋にカメラ向け 「今度は長編を」
京都新聞 / 2024年3月16日 7時0分
会場は大きな拍手で包まれた。1月に京都府南丹市日吉町で行われた上映会。田中大志さん(29)が監督を務めた短編映画「地蔵に願いを」は、同町世木地区を舞台に、転校生と地元中学生が、人の温かさに触れていく物語だ。
俳優やスタッフなど住民参加で製作した。地域に残るかやぶき屋根の住居や五右衛門風呂など、地域の文化も描く。「出演していない子どもが『次は僕も出たい』と言ってくれたのが、なによりうれしかった」と手応えを感じている。
大阪府出身。小学生の頃見た米国映画「スタンド・バイ・ミー」などが原体験だが、映画製作に目覚めたのは海外だった。「モヤモヤしていた自分を変えたい」と立命館大を中退し、19歳でイスラエルに留学。現地で同じ年頃の学生が手がける作品に衝撃を受けた。
「日本は、面白さ重視で現実離れしたストーリーのものが多いが、向こうは戦争などの社会問題がすぐそこにあって、自然とそういう映像になっていく」
聖書を読んで、イエス・キリストが最初に弟子にしたのが、学者や政治家などではなく、どこにでもいた漁師であったことに疑問を抱き、映画にしようとカメラを持った。
撮影を始めると、同国北部のガリラヤ湖で最後の漁師といわれる男性に出会った。後継者がいない中、自然を相手にして愚直に漁を続ける姿に引き込まれた。ドキュメンタリー作品「ガリラヤの漁師」は、同国の歴史ある映画祭の学生部門で銀賞に輝いた。
2020年に帰国してからは22年に、特定の場面になると発話できなくなる「場面緘黙(かんもく)症」をテーマとした映画も製作。上映後のワークショップも行った。
23年2月に大阪から日吉町に移住した。不便さを感じるときもあるが、都会にはない葉や植物の色の移ろいなどに、自然とカメラを向ける。住民からは「監督さん」と親しまれる存在だ。
「今度はもっと多くの人が出演や製作に関われる長編映画にしたい」と、地域一丸で地元の魅力を紡いでいく。
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