「上げられるボールは、すべて上げる」バレーボール女子日本代表リベロ「狭き門」への決意
京都新聞 / 2024年3月21日 6時0分
バレーボール女子日本代表のリベロ福留慧美(26)=デンソー、京都橘高-龍大出=が初の五輪代表を目指して奮闘している。五輪メンバーで登録されるリベロは通常1人。狭き門をくぐり抜けるため「上げられるボールは、すべて上げる。やるべきことをするだけ」と強い決意を込める。
京都市伏見区出身。京都橘高でリベロに転向し、2015年の全国高校総体で4強に進んだ。龍大4年時には主将を務め、19年の関西大学選手権優勝。セッターにプレーの指示を出すなど、守備特化のリベロが攻撃に関わる瞬間にやりがいを感じ「常に後衛で見ているし、ローテーションでベンチに下がって相手を見渡せる。攻撃の指示も出せるし、ブロックをコールして、その通りに行くと楽しい」と語る。
22年から日本代表に選ばれ、昨年のネーションズリーグやパリ五輪予選では、海外選手を相手に得意のディグ(スパイクレシーブ)で活躍。粘り強い守備で、世界ランキングが上の強豪にも食い下がった。一方で「世界のトップ層はブロックが開いている時も(コート手前だけでなく奥へ)長いコースも狙ってくる。サーブのようにぶれる回転もかかって、正面でもはじくことがあった」と改善の余地も感じた。
また、今季はサーブレシーブにも力を入れた。反射的に飛びつくディグと違い「考える時間があり、(セッター定位置へ返す)Aパスを上げなければと意識して動きが硬くなる」と苦手意識を持つ。克服のため練習で時間を割き、拾えなかったときも「次は返せるようにイメージして前を向いている」という。
五輪代表は予選よりも登録人数が少なく、守備専門のリベロは1人に絞られる可能性が高い。昨年までサーブレシーブが得意な西村弥菜美(久光)らと交互に起用されており、今後も厳しい競争が続く。五輪出場に関わる5、6月のネーションズリーグでの活躍を誓い、「最後まで代表に残りたい。少しでもできることを改善していく」と意気込んでいる。
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