27歳で自死したおいへの後悔胸に「若者孤立ほっとけない」 京都の男性が居場所づくり
京都新聞 / 2024年4月2日 13時30分
山上義人さん(64)は、貧困やひきこもりなどで悩む若者の支援に取り組む。当事者を支援団体や自治体につなぐことに力を入れており、「若い人たちを応援するには一人では何もできない。社会の関心を高め、みんなで支えていかないといけない」と語る。
3月下旬、以前ひきこもりだった30代男性が働く久御山町西一口の農場を訪ねた。昨年、自身が携わる、中小企業に人材を仲介するNPO法人「いっぽねっと」(京都市南区)を通じて男性を農業会社への就職へと結びつけた。久々に会った男性の明るい表情に「すごく成長している。本当に良かった」と目を細めた。
多様なNPOに所属し、活動している。宇治市で子ども食堂を運営する「すまいるりんく」の監事をはじめ、貧困者を支援する「京都暮らし応援ネットワーク」や、地域振興に取り組む「まちづくりねっと・うじ」の副代表理事などを務める。「『ほっとけない』という気持ちが行動させる」という。
府北部の旧加悦町(現与謝野町)出身で、過疎の農村で育った。幼い頃からいじめや貧しい生活を経験し、「なぜ世の中に差別や貧困が存在するのだろう」と疑問を感じた。大学卒業後、府職員に。退職までに公害対策や農林業支援、保健所などを担当した。
NPOなどの民間団体に参加したのは40代後半のころ。若者を支える活動に本腰を入れ始めた。
源泉には、27歳の若さで自ら命を絶ったおいの存在がある。亡くなった原因は分からないままで「自分に何かできたのではないのか」という後悔の念が残り、「若い人たちの力になりたい」との思いを強くした。
自ら発起人となり、2015年に府内の各種団体が情報交換を行うための会議「子ども・若者の貧困京都プラットフォーム」を立ち上げた。最近では今年2月、宇治市内の子ども食堂の関係者らとともに安定した食生活ができていない子を支援するグループ「宇治・食と子どものネットワーク」を発足させた。
「自己責任社会と言われるようになり、孤立を深める人たちが増えている。悩みや苦しみを受け止める居場所や仕組みをつくっていきたい」。柔和な笑顔から真剣なまなざしをのぞかせる。京都府宇治市五ケ庄。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「大阪から社会を変えるNPOの挑戦をCAMPFIRE家入氏が聞く!」~今、子ども・若者が感じる生きづらさとは?~
PR TIMES / 2024年6月25日 18時15分
-
ナンカイ工業株式会社様より、企業版ふるさと納税制度を活用した寄付をいただきました
PR TIMES / 2024年6月19日 18時45分
-
昨年に続き2回目の開催!オンラインアート展覧会「未来のカタチ展」
PR TIMES / 2024年6月18日 18時45分
-
思春期世代のこども支援を考える オンラインシンポジウム開催のご案内
PR TIMES / 2024年6月13日 16時15分
-
社説:ひきこもり支援 当事者との「伴走型」へ転換を
京都新聞 / 2024年6月8日 16時0分
ランキング
-
1NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
-
2尖閣周辺の日本船を名指しで「退去を警告した」、中国海警がSNS投稿繰り返す…実効支配を宣伝か
読売新聞 / 2024年7月5日 15時0分
-
3U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分
-
4【速報】東京・大田区で住宅火災 100平方メートル延焼中 消防車など41台が出動し 消火活動
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月5日 11時17分
-
5漂白剤が混ざった水を客に提供 福岡市本社のレストラン「ピエトロ」 警察が業務上過失傷害の疑いで捜査
RKB毎日放送 / 2024年7月5日 11時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)