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京都市の鴨川ライトアップに異議あり「京都らしくない」 古都にふさわしい夜景は

京都新聞 / 2024年4月11日 6時5分

京都市が1月に鴨川で実施した夜間景観の実証実験=市提供

 京都市が鴨川の夜の景観づくりに取り組んでいる。日没後も散策を楽しめるようにするためで、1月に三条大橋(中京区、東山区)周辺を試験的にライトアップした結果、通行人らには好評だったが、有識者会議では「光が目立ちすぎる」「京都らしくない」といった厳しい意見も相次いだ。古都にふさわしい夜景を巡り試行錯誤が続きそうだ。

 取り組みは2022年に市が策定した指針「京都のあかり」に基づき、周辺の繁華街に滞留する観光客らの分散や、比較的人通りが少ない左岸の安心な歩行環境づくりなどを目的としている。西脇隆俊知事と門川大作前市長が昨年8月に開いた懇談会でも鴨川の三条―四条間の魅力向上のために協力することを確認した。

 京都市は1月16~22日午後6~10時、三条大橋から南側150メートルで初めて実証実験を行った。石垣や樹木にLED(発光ダイオード)照明を当てるとともに、河川敷に行灯(あんどん)を並べ、川面を青色のライトで照らした。実験とは別に、補修が完了した三条大橋の夜間点灯も16日から始めた。

 通行人らにはおおむね好評で、市が実験期間中に行ったアンケートの回答者86人の意見は「とても良い」が49%、「良い」が31%で、「悪い」の12%を大きく上回った。歩行者の通行量も期間外に比べ、平日で2.3倍、休日で1.4倍になり、市は「照明設備による景観創出は、夜間の魅力向上に一定効果がある」と結論付けた。

 一方、京都府が設置する有識者会議「鴨川府民会議」の反応は厳しかった。

 「私は京都生まれ京都育ちだが、はっきり言って京都らしくない」。3月の会合で、メンバーの一人は照明の色調や明るさがふぞろいだった点を挙げ、市に見直しを迫った。「点灯の瞬間は感動した」という声もあったが、「川をライトで照らすより、水音を聞いてる方が気持ちよい」「陰影礼賛と言うように、まちに明かりがあれば鴨川は暗くてもいい」などの指摘もあった。座長の金田章裕・京都大名誉教授も「いくつかの点で違和感が強いというのは共通意見だろう」と再考を促した。

 京都市は今後も季節や場所を変えて実験を継続する方針で、本年度予算でも夜間景観づくりを含めた鴨川の魅力向上事業に2500万円を計上した。市景観政策課は「(府民)会議でいただいた意見は貴重。市民がどういった夜間景観に京都らしさを感じるかも踏まえ、検討を深めたい」としている。

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