親と暮らせない子どものための自立援助ホーム、滋賀に開設 元教諭のNPO法人
京都新聞 / 2024年5月15日 10時53分
滋賀県長浜市でフリースクール運営などにあたるNPO法人「にじまち」は、親との死別や虐待などのため家庭で暮らせなくなった子どもを受け入れる自立援助ホーム「ななほし」を設けた。ホームの開設は市内で初めてで、にじまちの林智子理事長(51)はホームを「子どもの自立を促すとともに、子どもが家庭で過ごしていると思えるような温かい場所にしたい」と抱負を語る。
自立援助ホームは児童福祉法に基づき、NPO法人などが行政から委託されて運営にあたる。家庭がなかったり、家庭にいることができなかったりする義務教育終了後の15歳から20歳までの子どもが入って社会的な自立を目指す。現在、全国で約300カ所が設けられている。
元小学校教諭の林さんは、2020年から市内の古民家でフリースクールを運営する中で自立援助ホームの存在を知った。長浜市内にはまだ設置されていないことが分かり、運営主体となるNPO法人を2月に設立したのを経て、4月28日、県内7カ所目となるホームの開設にこぎ着けた。
ホームは市内のアパートに設けられ、最大6人が入れる。個室の居室部分と共用のリビングや水回りスペースがある。スタッフ3人が食事の世話をするが、自立を促すため、洗濯などは子どもが行うという。
現在のところ入居者はない。市内でホームを開設したことについて林さんは「利用する子どもの状況を考えると、むしろ元の住所から遠隔地のホームに需要があるケースもある。県内で地域的にまんべんなく設置されるのが望ましいと考えた」と話す。
ななほしに関しては「利用する子どもは一緒に暮らす家族だととらえ、子どもたちに信頼してもらえる場にしたい」と力を込める。同法人は運営資金援助を呼びかけている。0749(50)2225。
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