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農村集落の郷土史、写真1000点の完結作 人々の営みや地域の伝統を後世に

京都新聞 / 2024年5月17日 16時0分

「人々のくらしと正福寺」を手にする執筆メンバーの関住職(東近江市五個荘伊野部町・正福寺)

 滋賀県東近江市の五個荘伊野部町自治会が、農村集落としての歴史や風俗を記録した「人々のくらしと正福寺」を作った。カラー写真約千点を用い、豊かな自然や戦前戦後の生活の営みを紹介。2008年と20年に発刊した郷土史2冊を補う3部作の完結編といい、関係者は「良き歴史や伝統を再発見し、今後の地域づくりに生かせれば」と願う。

 同町は箕作山の東側にあり、現在48戸ある。地区の伝統やしきたりが薄らぐ中、危機感を強めた住民有志らが平成に入り郷土史づくりに着手し、今回は補遺版として前2作で伝えきれなかった内容を新たにまとめた。

 特長は前作より400点も増えた膨大な写真掲載。伊野部の自然や人々の営み、住民の多くが門徒の浄土宗寺院・正福寺などについて、4章にまとめた。子の健やかな成長への願いを込めて贈答される郷土人形「小幡人形」や集落に多数残る「講」組織、暮らしに根差した年中行事、漁具や生活道具など昭和を中心に郷土の歩みを記した。1冊目と同じ質問で尋ねた全戸アンケートでは少子高齢化や新型コロナウイルス禍で集落内の行事や祭礼の簡素化が進む実態もうかがえる。

 今回手がけたのは住民8人の編集委員会。執筆者の一人、関正見・正福寺住職(57)は「3部作の仕事はすごい労力であり、住民の情熱のたまもの」、北川純一さん(74)は「農村集落の営みや良いところを後世に引き継いでほしい」と話す。

 A4判196ページ。200冊作製。地区住民に配り、図書館などに寄贈するほか、希望者には販売する。

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