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滋賀・湖東病院国賠訴訟 取り調べに当たった警察官が出廷、自白の誘導「一切ありません」証言

京都新聞 / 2024年5月23日 10時3分

横断幕を掲げ弁護士らと大津地裁に向かう西山さん(前列中央)ら=23日午前9時34分、大津市

 滋賀県東近江市の湖東記念病院の患者死亡を巡り、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(44)=彦根市=が国と滋賀県に損害賠償を求めた訴訟の第11回口頭弁論が23日、大津地裁(池田聡介裁判長)で始まった。西山さんの取り調べに当たった県警の男性警察官が証人として出廷し、西山さんの自白の誘導や指示について、「一切ありません」と証言した。

 再審無罪判決は、男性警察官が、自身に対する西山さんの恋愛感情や、軽度の知的障害があり迎合的な供述をする特性を利用して警察が描く筋書きに西山さんを誘導し、明白なうそを含む自白をさせた疑いが強いと判断。捜査段階の自白の信用性と任意性を否定し、捜査の不当性を認定した。

 男性警察官は、県側代理人から、西山さんが殺害を自白し、供述調書が作成された2004年7月2日の取り調べで誘導や指示があったかと聞かれ、「一切ありません」と答えた。


 西山さんの知的能力を問われると「しっかり自分で物事を考え、供述できる人だと思っていた」と証言。自身への恋愛感情に気づいていたかについては「ないです」と述べて否定した。

 西山さんの人物像について「前の取調官から『手のかかる人物』だと引き継ぎを受けた。自分の都合の悪いことには、寝そべったり、泣き叫んだりした」と説明。当時の捜査方針を問われると「自発的に西山さんのペースで話が聞けるようにしていた」と答えた。

 西山さんは開廷前の報道陣の取材に、警察官に自ら質問をする意向を示した。証人尋問は休廷を挟んで午後5時まで行われる予定。

 西山さんは、04年7月に県警に逮捕され、殺人罪で懲役12年の判決を受けて服役。20年3月に再審大津地裁が無罪を言い渡し確定した。同12月に国賠訴訟を起こし、前回口頭弁論時の会見で、男性警察官に対し「(証人尋問では)正直に話してほしい。それが悪いことでも責めもしないし、ちゃんと謝ってくれたらそれでいい」と話していた。

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