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「今でも犯人だと言ったらいいじゃないですか」 再審無罪の西山美香さん、取り調べした警察官に

京都新聞 / 2024年5月23日 20時10分

警察官の証人尋問を受けて開かれた会見で、報道陣の質問に答える西山美香さん(23日午後6時27分、大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館)=撮影・薄田和彦

 「今でも犯人だと思っていると言ったらいいじゃないですか」。大津地裁で開かれた湖東記念病院患者死亡を巡る国家賠償請求訴訟で、再審無罪となった西山美香さん(44)は、自分を取り調べた男性警察官と法廷で直接対面し、質問をぶつけた。声を荒らげ、裁判長に制止される場面もあった。

 白いシャツ姿の西山さんは23日午前、弁護団とともに地裁に入った。「(警察官が)どういう風に考えているのか知りたい」。開廷前にはこう心境を語った。かつて好意を抱いた相手。法廷で弁護士の質問に答える警察官を、横からじっと見ながら聞いていた。

 証人尋問の終盤、西山さんは自ら質問に立ち、約3分間警察官と相対した。

 「いすを蹴ったり机をたたいたり本当にしていないですか?」。取り調べでの威圧的言動を問いただすと、警察官は「していない」。質問を重ねても否定され、西山さんは法廷の机を強くたたきつけ、「本当にバンバンたたきませんでしたか」と迫った。それでも警察官は動揺した様子を見せなかった。

 弁護団長を務める井戸謙一弁護士が「今でも西山さんが殺害したと思っているのか」と質問。警察官は「組織の一員として取り調べたので、答える立場にない」と淡々と述べた。「個人的な認識は」と尋ねても回答を拒む警察官に、西山さんは「答えてください。犯人と思っていると言ったらいいじゃないですか」と感情をあらわにし、裁判長に「落ち着いて」と制止された。

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