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京都の街角で急増「生搾りオレンジジュース」 海外企業が「自販機大国」に狙い定めるワケ

京都新聞 / 2024年4月30日 6時10分

鮮やかなオレンジが目を引く生搾りジュースの自動販売機。京都で設置台数が増えている(京都市中京区)

 京都市内で生搾りオレンジジュースの自動販売機が増えている。昨年11月に初導入され、現在までに15台を超えた。全国的にはこの数年で700台以上になり、急拡大している。自販機の中に詰められた鮮やかな生オレンジが目を引き、どれも同じ機械に見えるが、実は2社が競合している。どう違うの? なぜ、オレンジなのだろう。

 2社は、シンガポール発祥の「IJOOZ(アイ・ジュース)」と、英国がルーツの「Feed Me Orange(フィード・ミー・オレンジ)」。

 アイ・ジュースは、京都市内で昨年11月に河原町オーパ(中京区)に初設置し、現在、市営地下鉄構内などに計6台を置く。日本に進出したのは昨年4月。1年余りで関東や関西に約300台増やした。設置場所は観光地やショッピングモール、スポーツジムなど多彩だ。

 同社は、2016年にシンガポールで創業。自社で自販機を製造しており、560万人ほどの人口の同国に千台設置し、年間1500万杯を売り上げているとする。“自販機大国”の日本に需要があるとにらみ、新型コロナウイルス禍が落ち着いた時期に進出した。

 1杯に4個の生オレンジを使用。小銭や電子マネーを入れるとオレンジが自動でころころと転がり、プレス、搾汁し、45秒で果汁100%の無添加ジュースがカップに注ぎ入れられる。多い場所では1日400杯売れるといいい、オレンジの補充は、売れ行き具合によって1~3日ごとに行う。同時に、搾った後の皮を取り除くなど衛生面のメンテナンスを行う。皮は一部、家畜の飼料などに再利用している。

 オレンジは米国とオーストラリアの契約農家から仕入れ、自販機も自社製のため、1杯280ミリリットルで350円という手頃な価格。広報担当者は「街角のフルーツジューススタンドに負けない新鮮さと価格で勝負したい」と自信を見せる。

 一方、フィード・ミーは21年7月に、日本に初めて生搾りオレンジジュースを導入し、関東や関西を中心に展開する。公式ホームページなどによると、京都市内では昨年11月にイオンモール北大路(北区)などに初めて設置し、現在は12カ所に。1杯200グラムで、値段は場所によって異なり、500円以上とある。使用する自販機は、実はアイ・ジュース製だ。

 なぜ、オレンジなのだろう。アイ・ジュース担当者によると、もともと人気が高い上、他の果物より果汁が多く取れ、保存期間も長いのが理由で「ビジネス効率がよかった」と明かす。京都は、観光地も学生街もあり「ポテンシャルが非常に高い。もっと台数を増やしたい」とする。

 記者も飲み比べてみた。どちらも果実そのものの甘みが優しく体に良さそう。アイ・ジュースの方が果肉感がある。これから気温も上がり汗をかく季節を迎える。ビタミン豊富なジュースは水分とエネルギー補給にぴったりかもしれない。

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