道に迷った高齢男性発見「警察に相談しないと」中学生3人ら連携し保護 警察から感謝状

感謝状が贈られた（左から）阿部さん、木戸さん、冨田さん、西山さん＝大津市真野2丁目・大津北署

　滋賀県警大津北署は、道に迷った高齢男性を下校途中に保護したとして、大津市の比叡山中の1年生3人に感謝状に贈った。3人は道を尋ねられる経験が初めてだったが、見事な連携で救助に貢献した。

　阿部海翔（かいと）さん、木戸元進（げんしん）さん、冨田健人さん＝いずれも（12）。クラスメート同士で、4月の入学式以降に仲良くなったばかりだった。

　同署によると、4月26日午後5時ごろ、JR堅田駅前で、79歳の男性が「帰り道が分からない」と下校中だった3人に声をかけた。男性は足元がしっかりせず、手ぶらで連絡手段もない様子だった。

　阿部さんと木戸さんは約1週間前に落とし物を堅田駅前交番へ届けたことから、「自分たちで解決するのは難しい。警察に相談した方がいい」と判断。仕事帰りに通りかかった西山永理さん（27）＝同市＝にも協力を仰ぎ、4人で同交番へ連れて行った。

　男性は、堅田駅前から約3キロ離れた外出先から自宅に帰る道が分からなくなり、歩いてさまよっていたとみられる。心配した家族が捜索願を出していた。

　3人と西山さんに感謝状を贈った森下慎也署長は「困っている人がいたら助けるという優しい気持ちを持ち続けて」とたたえた。阿部さんは「緊張したがうまく対応できた」、木戸さんは「友人と一緒にいたから冷静な判断ができた」、冨田さんは「1人ではできなかった」と笑顔だった。