滋賀からパリへ 陸上走り高跳びの瀬古優斗選手 日本選手権3位以内目指し、いざ「飛躍」
京都新聞 / 2024年6月1日 15時55分
陸上男子の走り高跳びでパリ五輪出場を目指す草津東高出身の瀬古優斗選手(26)=大津市=が6月の五輪代表選考会を兼ねた日本選手権に向け、練習を重ねている。一方、遠征などに多額の費用がかかることから、クラウドファンディング(CF)で支援を呼びかけている。
5月19日に東京・国立競技場で行われたセイコーゴールデングランプリ。海外の有力選手も出場する中、2回目で2メートル24をクリアし、日本勢で最高となる3位に食い込んだ。6月の日本選手権に向けて「今の体の状態に記録が追いついてきた」と力を込める。
身長180センチ。瀬田北中で部の顧問の薦めで走り幅跳びから転向したのが競技を始めるきっかけだった。草津東高時代は滋賀県民体育大会で大会記録を出し、強豪の中京大へ進学。ここで「踏み切りの時に足を前に出してはいけない。けがをする」と教えられ「やっている内容が全然違った」と当時の衝撃を振り返る。中高で染みついた癖を直すのに3~4年の時間を要したという。3年時にはけがもあり「初めてベストが出なかった年」と伸び悩みも経験した。
だが、踏み切りを修正したかいがあり、大学卒業後の2021年、静岡県で行われた国際大会で自己ベストの2メートル27を記録し飛躍。昨シーズンは国内大会で3度優勝を果たした。
県内の実業団を経て、22年10月からフリーに。「競技について考えたり、多くの人に相談したりする時間ができた」。現在は長浜市の陸上スクールFAASと県スポーツ協会に所属し、同スクールで子どもたちに陸上の楽しさを教えながら練習に取り組んでいる。
日本選手権では3位以内に入ることが五輪出場の絶対条件。目標は「2メートル24を一発で飛び、27も飛ぶのが最低ライン」と意気込む。
一方、夢に向かう中で資金面が足かせになっている。海外の大会出場費やコーチの渡航費など、多額の費用がかかることからCFを4月から開始した。目標金額は300万円。支援額に応じて、タオルやTシャツなどの返礼品がもらえる。CFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で6月15日まで資金を募っている。
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