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桜に寄生し枯死させる「赤と黒の昆虫」の正体 関西で広がる被害に行政ピリピリ

京都新聞 / 2024年5月3日 18時0分

被害の進んだサクラの幹。根元には幼虫のフンと木くずが混ざったフラスが大量に見られる(2019年撮影、大阪府羽曳野市、大阪府立環境農林水産総合研究所提供)

 サクラに寄生し枯死させる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」に京都府が警戒を強めている。府内ではまだ確認されていないものの、他府県ではサクラの名所も被害に遭い、隣接する大阪府の高槻市や枚方市でも発見されたからだ。国内外の観光客や住民に親しまれる京都のサクラを守るため、府は「被害が広がれば観光に影響が出かねない。見つけたら通報を」と呼びかけている。

 クビアカツヤカミキリは体長2.5~4センチで、首の部分が赤く光沢のある黒色の体が特徴。成虫が樹木に卵を産み付けると、ふ化した幼虫は約2年間樹木の中で生息し、樹木を内部から衰弱させる。特にサクラやウメ、モモなどバラ科の樹木を好むという。もともと中国や朝鮮半島に生息し、輸入資材に紛れて国内に入ってきたとみられる。国内では2011年に埼玉県で初めて発見され、環境省が18年、運搬や飼育を禁じる特定外来生物に指定した。大阪府や奈良県、兵庫県などの近隣府県でも確認されている。

 今のところ京都府内での確認例はないが、府自然環境保全課は「いつ府内で見つかってもおかしくない」という。5月下旬から8月ごろに成虫になるといい、樹木の食害が広がると、幼虫のフンと木くずが混ざったフラスが大量に発生する。府は見分け方のポイントをホームページに掲載し、「首の赤いカミキリムシを見つけたり、サクラやウメから大量に木くずが出たりしている場合は、連絡してほしい」と呼びかけている。

 京都には府民や国内外の観光客の目を楽しませるサクラの名所も多く、府は「早期発見、早期防除が最も大切で、入れない、逃さない、増やさないの三原則を周知したい」としている。通報先は府自然環境保全課075(414)4706。

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