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葬儀から遺言、財産相続まで 行政書士の和尚が語る「イマドキの終活」とは

京都新聞 / 2024年6月7日 15時0分

市民向けセミナーでエンディングノートの大切さを説明する吉武さん(高島市今津町今津・市働く女性の家)

 「困り事が起こる前に準備しておきましょう」。抑揚を付けた声で「終活」について説明する。吉武学さん(45)=滋賀県高島市新旭町=が講師を務める「和尚が語るイマドキの終活セミナー」の一こまだ。ユーモアも交え、笑いを誘う。

 高島市働く女性の家主催の市民向けセミナーで、昨年6月から定期的に開いている。直近の4月は「身近な人が亡くなる前に準備しておきたいこと」をテーマに、死亡届や遺言、財産相続のほか、僧侶だからこそ取り組める葬儀と埋葬についても紹介した。先立つ際も残された場合も「エンディングノートに希望を書くことが大切」と説いた。

 高島市マキノ町にある真宗大谷派の寺院の三男。実家は長男が継ぐことが決まっていた。ところが、大学浪人中、同市新旭町の法泉寺から養子の依頼が舞い込んだ。高校教諭だった実父の同僚からだった。「決められない」と保留の返事に対して「待つ」との回答。北海道大へ進んだ。

 「跡を継いでほしい」と切実に言われたことが頭から離れなかった。将来を考えた3年時、必要とされるありがたさを感じ、養子となることを決断。「寺を継いだらなかなか来られない」と北海道中を旅した。「人々がフラットに受け入れてくれた」。この経験が後に生きる。

 卒業後、京都市の大谷大に編入し、住職になるための資格を得た。「近場が良かった」と当時の新旭町に就職し、財政や社会教育と幅広く担当。保険年金や生活相談など窓口業務が多くなる。だが、解決のために特定の業者や個人を紹介できない。組織としての回答にとどまることもあり、どこかもどかしかった。

 「困り事を解決したい。家族との時間も大切にしたい」。17年以上の行政事務経験という特認制度で行政書士資格を取得した。在職中に合格した2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格も武器に43歳で独立した。

 幅広い行政書士の業務の中で、僧侶と関わり深い「終活」に特化。北の大地で学んだフラット感覚で「僧談」に乗る。最近は地域の高齢者サロンの講師に招かれることもある。高齢化が著しい高島。「相続問題に直面する方が多いと思う。笑顔で相続できるようお手伝いしたい」と優しく語る。

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