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被害者宅インターホンのカメラに容疑者 大津市の保護司殺害事件、保護観察中の男逮捕

京都新聞 / 2024年6月9日 4時45分

殺害された新庄さんの自宅に供えられた花束(7日午前、大津市仰木の里東6丁目)=撮影・佐野健太

 大津市の住宅で5月、保護司のレストラン経営新庄博志さん(60)の遺体が見つかった事件で、滋賀県警捜査本部(大津北署)は8日、殺人の疑いで、大津市の無職飯塚紘平容疑者(35)を逮捕した。飯塚容疑者は過去に強盗事件を起こして保護観察中で、新庄さんが保護司として立ち直り支援を担当していた。捜査本部は事件の経緯を詳しく調べる。

 捜査本部によると、飯塚容疑者は「私はやっていませんし、何も答えたくありません」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は、5月24日午後7時ごろから26日午後4時ごろまでの間、同市仰木の里東6丁目の新庄さんの自宅で、新庄さんの上半身を刃物で複数回突き刺すなどし、殺害した疑い。凶器は見つかっていない。

 新庄さんは5月26日夕、自宅1階のリビングで倒れているのを、親族に発見された。上半身には刃物による10カ所以上の傷が確認され、抵抗した際にできる防御創もあった。司法解剖の結果、死因は出血性ショックで、同24日夜ごろに死亡したとされる。

 捜査本部の説明では、新庄さんは5月24日午後6時半ごろ帰宅。この日は午後7時から、保護司として自宅で飯塚容疑者との面接を予定していた。新庄さん宅のインターホンのカメラには午後7時ごろ、飯塚容疑者の姿が映っていた。捜査本部は、飯塚容疑者がこの頃玄関から入り、犯行後、徒歩で立ち去ったとみている。事件当日より前に2人の間のトラブルは把握していない、という。

 飯塚容疑者は、5月24日以降行方が分からなくなっていたが、同28日、大津市内の路上でナイフを所持したとして銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された。「山歩きのために持っていた」と供述しており、捜査本部が関連を調べていた。

 裁判記録によると、飯塚容疑者は同市内のコンビニでナイフを突きつけて現金約2万円を奪ったとする強盗罪に問われ、2019年6月、大津地裁で懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を受けた。翌7月に確定した。

 新庄さんは06年に保護司となり、18年間にわたって罪を犯した人の更生保護にボランティアで取り組んでいた。法務省によると、担当の保護司が保護観察中の人物に殺害された事件は初めてとみられる。

          ◇

おことわり 滋賀県警に逮捕された飯塚紘平容疑者(35)は、過去に保護観察付き有罪判決を受けました。犯罪歴は慎重に取り扱う必要がありますが、事件の重大性を考慮し、保護司と支援対象者という関係性を伝えるため、記事で触れました。

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