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「パリで表彰台上る」競泳女子100平・宇津木 フォーム改良奏功、2大会連続パラ出場へ

京都新聞 / 2024年5月24日 20時52分

2大会連続となるパリ・パラリンピックに挑む宇津木美都(いずれも大体大)

 競泳女子の宇津木美都(みくに)(大阪体育大学、京都文教高校出)は、100メートル平泳ぎ(運動機能障害SB8)で派遣基準記録を突破し、2大会連続でパラ出場を決めた。改良したフォームでメダルを狙うとともに、小学校教諭を目指して奮闘する大学4年生。二つの夢で確かな1歩を踏み出している。

 中学生の頃の自分を乗り越え、パラ代表の座をつかんだ。3月に静岡で行われた代表選考会。100メートル平泳ぎで1分25秒23をマークし、洛北中学校3年で出した自己ベストを約1秒更新した。アジア記録も塗り替え「映像を何回も見て、にやにやしてます」と満足げだ。

 京都市左京区出身。生まれつき右腕が短い。3歳で競泳を始め、同中学校の頃から国際大会を経験してきた。しかし、成長期の高校時代はスランプに。原因が分からず悩んだ。試行錯誤の末、腕はバランスを取るだけにして、キックで進むフォームに変えた。東京パラ代表に滑り込み、100メートル平泳ぎで6位に入賞した。

 「このままではこれ以上伸びない」と、1年半前から腕の推進力も生かすフォームに戻した。体幹トレーニングを重ねつつ、腕と足の連動性を磨く。短い右腕は水平に動かし、水の抵抗を減らすように意識。大体大の水泳部で泳ぎ込み、タイムを縮めた。

 プールの外では、両親と同じ小学校教諭になるために勉強している。昨年11月には、母校の岩倉南小学校で1カ月の教育実習を経験。障害について、授業で詳しい説明はしなかった。「右腕を隠すことなく普通にしている姿を見せることで、自然と学んでくれるはず」。伝えたかったのは、障害が特別なものではないこと。実習を終え、「なりたい気持ちが強くなった」。

 教員への道を着実に歩み、競泳でもスランプから完全復活を遂げた。昨秋のアジアパラ大会で競泳日本代表の主将を任されるなど、存在感を増している。これまでパラリンピックのメダルに距離を感じていたが「3月の選考会で『いける』と欲が出た。パリで表彰台へ上る」と力強く語った。

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