面接時に凶器の刃物持参か 大津市の保護司殺害事件 来客対応の跡も

殺害された新庄さんの自宅（10日午前、大津市）

　大津市の住宅で5月、保護司のレストラン経営新庄博志さん（60）が殺害された事件で、殺人の疑いで逮捕された無職飯塚紘平容疑者（35）が、自ら持参した凶器を用いて新庄さんを襲った可能性が高いことが11日、滋賀県警捜査本部（大津北署）への取材で分かった。事件当日は容疑者と保護観察の面接を予定しており、室内では2人きりの状況だったとみられる。捜査本部は、計画性を含めて経緯を調べている。

　飯塚容疑者は過去にコンビニ強盗事件を起こし、新庄さんが保護司として立ち直り支援を担当していた。新庄さんが殺害されたとされる5月24日夜も、飯塚容疑者と面接する予定が入っていた。

　捜査本部によると、飯塚容疑者は面接予定だった同日午後7時ごろに新庄さん宅を訪問。室内で物色されたり刃物が持ち出されたりした形跡は確認されておらず、容疑者が自ら刃物を持参し、いずれかに持ち去った可能性がある、という。凶器の特定には至っていない。

　また室内には来客に対応した形跡があったことも判明。捜査本部は、新庄さんが面接の際に襲われた可能性があるとみている。

　飯塚容疑者は、新庄さんの上半身を刃物で複数回突き刺して殺害したとして今月8日に逮捕された。「私はやっていない」と容疑を否認している。

　飯塚容疑者のものとみられるX（旧ツイッター）のアカウントには「保護観察とか～。全然保護しない」「保護って言葉は要注意ワード」などと、保護観察への不満をうかがわせる投稿があった。