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実は古くから「うなぎの名産は琵琶湖」だった 地域「秘伝」の食文化が文化庁からお墨付き

京都新聞 / 2024年4月2日 11時0分

かば焼き作りに取り組む大津市内のウナギ店。店舗を運営する会社社長は「時代に合わせて衛生管理などを向上させながら、大津全体の店でウナギの食文化を盛り上げていきたい」と語る(大津市大谷町・逢坂山かねよ)

 地域に根付く食文化を認定する文化庁の「100年フード」に、2023年度は滋賀県内から「大津のうなぎの食文化」、「石部のいもつぶし」、「安土のふなやき」の3件が選ばれた。継承やPRに取り組んできた関係者からは「アピールに弾みが付く」と喜びの声が上がっている。

 100年フードは、地域の食文化振興の機運を高める目的で、21年度にスタート。風土や風習に根ざす食文化であることや、世代を超えて受け継がれてきたことなどを条件に、地域団体からの申請に基づいて年に1回認定している。認定されれば、専用ロゴマークをパッケージやチラシなどに入れてPRに活用することなどが可能になる。

 「大津のうなぎの食文化」については、江戸期の古文書に琵琶湖のウナギは「黒津(現在の大津市南部)をもって名産とす」と記され、旧東海道沿いを中心に以前からウナギ料理を扱う販売店や飲食店が多かったことから、びわ湖大津観光協会が23年度からPRしてきた。店舗への協力要請や市民への周知に努め、ウナギを食べるために大津に来訪してもらうようになることを目指している。

 同協会は、4月後半配布を目指して作成している大津のウナギのPRパンフレットに100年フードのロゴマークを入れる。「認定を機に、さらにPRの規模を大きくしていきたい」と意気込む。

 「石部のいもつぶし」は、米と里芋を一緒にたき、つぶして俵状に成形して焼く湖南市石部地域の郷土料理。江戸期から食べられていたとされるが、現在は一部地域で祭りの際に住民が売る程度になっている。ただ、軽食を提供する市営の休憩施設「石部宿田楽茶屋」(湖南市石部西1丁目)はメニューに載せて常時販売している。渡邊明子店長は「食感も良くおいしいので、市内外の多くの人に味わってほしいと思っている。認定は誇らしい」と喜ぶ。

 「安土のふなやき」は、水に溶かした小麦粉を薄く伸ばして焼いた簡素なおやつで、戦後に近江八幡市安土町地域などの各家庭で作られていたという。19年に安土町商工会女性部が復活させ、イベントでの販売などを通して普及に努めている。同商工会の高木敏弘会長(72)は「認定を弾みに、郷土の味として定着させたい」と語る。

 県内ではこれまで、21年度に冠婚葬祭などの際に親戚らに振る舞われた多賀町周辺の食文化「よびしの食」、22年度には日野町で振る舞われていた「近江日野の伝統料理~鯛そうめん、肉めし、日野菜漬け」が、それぞれ認定を受けている。

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