被害者宅リビングに缶コーヒーが2本、面接時に突然襲撃か 大津市の保護司殺害事件

滋賀県警大津北署

　大津市の住宅で5月、保護司のレストラン経営新庄博志さん（60）が殺害された事件で、新庄さんが倒れていたリビングに缶コーヒー2本が残されていたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。新庄さんは事件当日、保護観察中の飯塚紘平容疑者（35）＝殺人容疑で逮捕＝と自宅で面接する予定だったといい、滋賀県警捜査本部（大津北署）は、容疑者を来客として招き入れた際に突然襲われた可能性があるとみて捜査している。

　飯塚容疑者は過去にコンビニ強盗事件を起こし、2019年6月に保護観察付き執行猶予の有罪判決を受けた。翌7月から、新庄さんが保護司として立ち直り支援を担当していた。

　捜査本部によると、新庄さんは殺害されたとみられる5月24日夜、飯塚容疑者と面接する予定を入れていた。同日午後7時ごろ、新庄さん宅のインターホンのカメラには飯塚容疑者の姿が映っており、容疑者は玄関から入ったとみられる。

　捜査関係者の説明では、新庄さんは遺体発見時、自宅1階のリビングにある机のそばで倒れていた。近くには缶コーヒー2本が置かれ、うち1本は開封された状態で残っていた。新庄さんが面接の際、2人きりの状況で襲われた可能性があるとみている。

　新庄さんは発見時、ワイシャツに長ズボン姿で、素足にスリッパを着用していた。玄関ドアは施錠されておらず、室内に荒らされた形跡はなかった。リビングの照明はついたままだったという。

　新庄さんは5月26日夕、血を流して倒れているのを、訪ねてきた親族に発見された。上半身には刃物による10カ所以上の傷があり、抵抗した際にできる防御創も確認されたという。

　飯塚容疑者は、新庄さんの上半身を刃物で複数回突き刺して殺害したとして今月8日に逮捕された。「私はやっていない」と容疑を否認している。