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京都の有名観光地に現れた「一等地」 土地建物の売却できず、宙に浮いた利活用

京都新聞 / 2024年5月4日 6時0分

活用方法が決まっていない京都市上下水道局の旧東山営業所。周辺は観光客でにぎわう(4月16日、京都市東山区)

 「先行移転」として昨年3月まで文化庁地域文化創生本部が入居していた京都市上下水道局の旧東山営業所(東山区)の活用が決まっていない。建物内には職員用だった風呂が残り、オフィスや店舗としての活用が難しいことに加え、災害時の飲料水を確保する給水槽があり、土地建物の売却はできないためだ。周囲に観光地も多い「一等地」の利活用が宙に浮いている。

 旧東山営業所は3階建て(延べ約900平方メートル)。2000年から区内の水道使用の名義変更業務や、水道メーターの点検などを担っていた。経営改善の一環で、16年3月末に同営業所と旧山科営業所(山科区)を再編し、東部営業所(同区)を設置。旧東山営業所は閉鎖された。

 新たな入居者が決まったのは、その1年後。文化庁の先行移転として地域文化創生本部が入居し、17年4月から業務を開始した。月69万円で賃貸契約を結んでいたが、昨年3月、文化庁が旧京都府警本部に本格移転するのに合わせ、同営業所は無人となった。

 現在は門扉が閉まったままで、立ち入りができない。周辺には安井金比羅宮や高台寺など有名社寺が点在し、外国人観光客らでにぎわう。上下水道局は同営業所の活用を模索したが、建物内には宿直者用の風呂が残り、1階と2階のフロアが階段でつながるなど、オフィスや店舗利用には不向きで、賃貸契約に関する相談が数件あったが、実現しなかった。

 さらに、駐車場の地下には、大規模災害による断水に備えた給水槽があり、約8400人の3日分に相当する飲料水7万6千リットルを貯めている。これまで使われたことはないが、災害時には市民らに飲料水を配布する支援拠点となる。

 同局は「給水槽は災害時に欠かせず、売却することはできない。建物を壊して更地化するのも、膨大な費用がかかるので現実的ではなく、建物をそのまま使ってもらえる企業などを引き続き探したい」とする。

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