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阪神大震災で商店街9割焼失、復興遂げた元理事長「一歩前に出て挑戦を」 京都府亀岡市で中学生に講演

京都新聞 / 2024年6月16日 7時0分

大正筋商店街の復興の歩みを生徒に説明する伊東さん(亀岡市篠町・東輝中)

 1995年の阪神大震災で甚大な被害を受けた、神戸市長田区にある大正筋商店街の元理事長・伊東正和さん(75)が、京都府亀岡市篠町の東輝中で2年生たちに講演した。約9割の店舗兼住宅が焼失した商店街が復興を遂げた。再び客を呼び込むために実施したご当地グルメのイベントや高齢者向けのサービスなどを、当時の写真を交えて紹介。「迷ったら一歩前に出て挑戦して」と、生徒たちに呼び掛けた。

 茶葉販売店を営む伊東さんは当時、妻と子ども3人の5人で暮らしていた。突然の大地震。動けないほどの激しい揺れに襲われたが、自身の店舗兼住宅は「住める程度」の被害だったという。

 だが2、3時間後に通電し、ストーブや切れた電線から商店街内の複数の店舗から出火。伊東さんの店も全焼した。「消防は既に火災になっていた場所に出動していて、後から起きた商店街では消す方法がなかった。みんな住む家と収入を得るための店舗を、いっぺんに失ってしまった」と振り返った。

 それでも同年6月、商店街は仮設テントで営業を再開した。「何とか人に来てもらおう」と、地元グルメのそばめしやぼっかけを振る舞うイベントを開催。高齢化した客のためにシルバーカーの無料貸し出しや巡回バスの運行、ポイ捨てごみを減らす狙いで空き缶を投入すると割引券が当たる機械を置いたことも説明した。

 伊東さんは「あの日が来なければとずっと思っているが、昨日には戻れない」と生徒たちに語りかけ、「夢や目標に向かって、きょう一日を頑張ってほしい」と語った。生徒たちは静かに耳を傾け、ノートにメモを取っていた。

 同中では、授業で3年かけて平和と命の尊さを学んでいる。講演はその一環で、5日にあった。

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