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71歳男性がコロナ禍に開いた「洋書オンライン読書会」 英語力の原点は「冒険家になる」夢だった

京都新聞 / 2024年6月25日 8時0分

最近、読書会で取り上げた本を手にする大西吉巳さん(京都府宇治市)

 英語の本を読む面白さ、その内容を語り合う楽しさを知ってほしい-。大西吉巳(おおにし・よしみ)さん(71)はそんな思いから、洋書に限った読書会を主宰する。京都府宇治市に移り住んで4カ月と間もないが、「読書会の文化をこの地に根付かせたい」と意欲を語る。

 京都府福知山市出身。高校生の時、冒険家の植村直己さんに憧れて「プロの冒険家になりたい」と思い描いた。自転車で日本各地を回ったり、韓国を旅したりするうちに「海外で活動するには語学力が必要だ」と感じた。大学入学後、熱心に英語を勉強し始め、イギリス留学も経験した。

 次第に冒険家になる夢はしぼんでいったが、磨いた英語力は自身の取りえになった。それを仕事に生かそうと29歳で教員免許を取得し、府北部などの公立高校で英語を教えた。

 初めて洋書を最後まで読み切ったのが23歳の時という。イギリスの作家ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」で、「1冊読んだことで自信になった。英語表現の豊かさや物語に入り込む楽しさを知った」。それ以降、サスペンスやミステリー、法廷劇など小説を中心に月3冊ほどのペースで読み続けている。

 約10年前に読書会に初めて参加したところ、「人と語り合うことで本を深く読み込める」という経験をした。ただ、洋書の読書会は少なかったことから、新型コロナウイルス禍の2021年8月、自らオンラインの読書会を立ち上げた。

 現在、その読書会には日本をはじめ、米国やフランス、中国などさまざまな人種国籍の約60人が登録している。毎回の参加人数を4人程度にとどめ、それぞれが読んだ本を紹介し合うブックトークの形式で読書の楽しみを共有している。

 大病をしたことをきっかけに、2月に福知山市から宇治市の高齢者住宅へ転居した。現在の目標は近隣地域で対面型の読書会を開催することという。「読書会は丁寧に読もうという動機付けになる。その魅力を分かち合える仲間を増やしたい」と話す。

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