偏差値で子の価値決まる教育観に疑問「天気村」創設の元中学教師「子どもらしく過ごせる場所」
京都新聞 / 2024年7月2日 7時0分
「子どもが子どもらしく過ごせる場所にしたい」。NPO法人「子どもネットワークセンター天気村」の代表理事、山田貴子さん(67)は、前身にあたる任意団体の「天気村」を滋賀県草津市で立ち上げてから37年。長年に及ぶ活動を通じて、そう願い続けてきた。
以前は中学校の教師だった。点数や偏差値で子どもの価値が決まってしまう教育観に疑問を覚え、3年で退職。人の個性は数字ではない、大人の感情が介入しない環境で考えながら遊ぶことで「創造的日常」が形成されると信じ、天気村を創設した。雨が降っても、風が吹いても、晴れる日が来るというのが名前の由来。1999年にNPO法人化し、現在の名称となった。
2歳半から小学6年までの子どもたちを対象に、決まり事やルールだけではなく、自然や人との関わりの中で多様性を身につけさせることを目的に活動する。月に1度の子ども食堂や、川での魚のつかみ取り、田植え体験など、バリエーションも豊富。障害がある子どもも一緒になって取り組み、さまざまな体験を通して自己肯定感を養う。
しかし、近年は都市化に伴い、子どもたちが遊べる場所が減ってきていると危機感を覚える。天気村の敷地の横に広がる広大な土手も、道路整備によりなくなることが決まった。子どもたちが遊び場にしていたエノキの大木も伐採される。土手を残したいと、子どもたちは草津市長に手紙をしたためたがかなわず、近く工事が始まる予定だ。
10年ほど前から天気村で共に活動している長女の優貴さん(40)に、将来は代表理事を任せるつもりだ。「指示待ちではなく、自分で考えてとっさに動ける子どもが増えてくれれば」と話す娘に、「子どもから学ぶことも多くある」と返す。梅雨空と打って変わり、天気村の上に青空が広がっていた。栗東市在住。
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