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有名フランス店の料理人から農家に 夢は自社野菜使った飲食店開業

京都新聞 / 2024年7月10日 16時0分

地元の人たちに気軽に食べてもらおうと、今春から直売所に設置している自動販売機(同)

 朝一番から収穫した大玉を丁寧に箱詰めしながら語る。「真っ赤なトマトに触れると気持ちも元気になります」

 倉田侑樹さん(34)。東京にあるフランス料理の有名店での勤務を経て、生まれ育った城陽市で農家になった。トマトやイチジクを中心に季節の農産物を手がけ、食を通じた地域貢献に意気込みを見せる。

 学生時代、市内の創作和食店でアルバイトをしたのがきっかけで、料理に興味を持った。大学の理系学部を中退し、調理師専門学校に入学した。フランス料理人の即戦力を育てる上級校にも進み、東京・南青山のミシュラン掲載店に就職。厳しい世界に身を置き、寝る間も惜しんで働いた。

 自身は祖父の代から続く農家の3代目。「いつかは帰って野菜を作るんだろうな」と考えていた。東京から城陽に戻り、4年前に親元で就農した。

 当時12棟あったビニールハウスでのトマトの収穫や出荷作業は、想像を超える重労働だった。同時に「手をかけた分だけおいしくなり、子育てに近い」とのやりがいを実感した。理系の頭脳も農業に役立った。化学式を根拠に、肥料メーカーの担当者とより良い栽培方法について議論を交わしたことがある。

 味が濃くて真っ赤なトマトは全国各地にファンが付き、有名人らのお墨付きも得ている。一方、地元での消費拡大を念頭に置いた挑戦も大切にしている。近所の人に気軽に食べてもらおうと、5月には直売所に野菜の自動販売機を導入。今年初めて、夏野菜であるトマトを冬の時期にも栽培する予定だ。

 今月末から始まるイチジクの収穫を控え「他のイチジク農家や行政と一緒に、特産品を使ったまちおこしに力を入れたい」との思いを強くする。将来は、自社生産の野菜を使った飲食店を城陽に構えるのが目標だ。「野菜を作って終わりではなく、おいしい食べ方まで伝えたい。店舗があれば、マルシェや料理教室など幅が広がりますよね」。元料理人のキャリアを存分に発揮できる夢を描く。城陽市寺田。

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