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平日は町役場、休日はボウリング場 実は京都屈指のプレーヤー 世界で戦う若手がライバル

京都新聞 / 2024年7月25日 6時0分

休日にボウリングの練習に励む井上さん。腕前は府内指折りだ(宇治市莵道・ラピュタボウル宇治東)

 井上裕貴さん(35)は、京都府久御山町役場の秘書広報係で働きながら、休日はボウリング場に通って腕を磨く。実は、京都屈指のボウリングプレーヤーでもあるのだ。「大会では緊張しがちなので、大事な場面でストライクを決められるとうれしい」

 ボウリングは繊細な感覚が求められる競技で、トップ選手でも毎ゲームでフルスコアを取ることはできない。理由は会場によって変わるレーン環境にあるという。

 塗られているオイルの量や厚みといった微妙な違いが、ボールの軌道を左右する。選手たちはゲーム中に変容していくオイルの状態を見極めながら、投球コースやボールの回転数、スピードを調整するという。「レーンとの相性もあるため、1ゲームなら初心者が世界トップに勝つ可能性もある。絶対のないスポーツだが、それが魅力でもあります」

 京都市伏見区出身。10歳の頃からボウリング場に通い、これまでに府選手権で4度優勝。国民体育大会には高校時代から京都代表チームとして計6回出場し、全国4位に入賞した経験もある。

 大学卒業後もボウリング場で働いていたが「地域の役に立つ仕事がしたい」と25歳で入庁。学校教育課、議会事務局を経て4年前から総務課秘書広報係で勤務。「ボウリング一色」の生活から一転し、競技に打ち込む時間は格段に減ったが、後悔はないという。「久御山は小さいまちで、住民との距離が近い。仕事は楽しいです」

 主な業務は町の広報紙づくり。乳がん検診を特集した記事は、統計データだけでなく医師や当事者の声を取材し伝えた。町内の検診数増につながり、「心に届いたのかなと感じ、うれしかった」。手がけた紙面が府の広報コンクールで1位となったこともあり、「次は全国1位を取りたい」と目標を掲げる。

 ボウリングでは府選手権を再び制したいと話す。京都は今、日本代表として世界で活躍する若手が集まっているといい、「体力的に自分はピークを過ぎたと思う。それでも、緊張感のある中での優勝争いがしたい」。静かな闘志を燃やす。宇治市神明。

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