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社説:熱中症への警戒 夜間も対策を忘れずに

京都新聞 / 2024年7月31日 16時5分

 まさに「災害級」というほかない。全国的に体温を上回る猛暑となり、京都市では6年ぶりに39度を超えた。熱中症への警戒を最大限に強めたい。

 今シーズンに熱中症で救急搬送された人は28日までの累計で約4万7千人に上り、昨年同時期より5千人近く多いという。

 京都、滋賀では「熱中症警戒アラート」が連日のように出ている。気象庁は、近畿で今後2週間ほどかなりの高温となる日が続くと予想している。不要不急の外出は避け、水分や塩分のこまめな補給、適切な冷房の利用といった対策を徹底したい。

 総務省消防庁によると、2023年の熱中症の救急搬送者数は約9万千人で、15年前と比べて約4倍に増えた。死者数も千人を超える年が珍しくない。

 搬送された人の過半数が高齢者で、場所は「住宅」が4割近くを占める。高齢者は暑さを感じにくく、体温の調節機能も弱っている半面、習慣や経済的な理由から冷房使用をためらう人が少なくないとみられる。

 日中はもとより、夜間も注意したい。最低気温が25度以上の「熱帯夜」が年々増え、京都市などでは猛暑日よりも顕著に多くなっている。就寝中もリスクが高く、専門家は寝る前に水分を取り、夜も冷房を使うよう呼びかけている。

 国は4月から、「熱中症特別警戒アラート」の運用を始めた。気温や湿度から算出する指数が、都道府県内の全地点で基準以上と予想される日の前日に発表する。

 特別アラートはまだ1度も出ていないが、暑さ対策を徹底できない運動や催しの中止、延期の検討を呼びかけるとしている。

 市区町村は避難場所(クーリングシェルター)として事前に定めた施設を開放する。京滋でも指定が進んでおり、図書館や公民館などの公共施設、民間の大型商業施設が対象となっている。施設の休館日などの対応や周知をきめ細かく進めてほしい。

 夏休み中とあって、子どもたちが参加する屋外のイベントも多い。主催者はアラートを一つの目安としつつ、参加者の身の安全を最優先に考え、開催の可否や運営方法を臨機応変に判断する危機管理が求められる。

 能登半島地震の被災地や水害が発生した東北地方では、避難生活や復旧作業で心身に負担のかかる日が続く。高齢者を中心に、熱中症を防ぐための見守りや声かけにも注力したい。

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