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「若い登山家に夢を与え続けてほしかった」 クライマー2人滑落、救助打ち切り

京都新聞 / 2024年8月1日 7時0分

府山岳連盟主催の講演会で、登山の魅力について語っていた平出さん(2019年12月、京都市南区)

 パキスタンにある世界第2の高峰K2(8611メートル)で滑落した、いずれも山岳カメラマンでクライマーの平出和也さん(45)=長野県出身=と中島健郎さん(39)=奈良県出身=について、2人が所属する登山用品販売の石井スポーツは30日、救助活動を打ち切ったとホームページ上で発表した。

    ◇

 平出和也さんと中島健郎さんの救助打ち切りに、京都の山岳関係者も「非常に残念」と声を落とした。

 京都府山岳連盟の湯浅誠二会長は、28日に京都市内の岩場で登山講習会を実施している際に滑落事故の一報を知った。参加者からは驚きや無事を祈る声が相次いだという。連盟主催の講演会に平出さんを2回招いたことがあり、「トップクライマーだとひけらかすことなく、気さくだった」と穏やかな人柄を語った。

 技術や知識、人間性を追求するアルピニズムを体現する数少ない登山家だったといい、「生きて帰ってきて、若い登山家や子どもたちに夢を与え続けてほしかった」と惜しんだ。

 平出さんは2019年12月、市内での講演会で、海外の山の未踏ルートにこだわる理由について「僕にしかできず、誰も行ったことのない景色を見られる」と述べた。登山の魅力について「自分でスタートとゴールを決め、自己責任で挑戦を完結できる」と語っていた。

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