京都でNIE全国大会が開幕 歴史家磯田道史さんが基調講演「人工知能の裏かく賢さ必要」

教育現場での新聞活用の歴史をひもとき、NIEの可能性を議論した全国大会（1日午後4時2分、京都市左京区・ロームシアター京都）

　教育での新聞活用を考える「第29回NIE全国大会京都大会」（日本新聞協会主催、京都府教育委員会・京都市教育委員会共催）が1日、京都市左京区のロームシアター京都で開幕した。全国から集まった教育や新聞の関係者らが2日間にわたって、予測困難な時代を生き抜くための学びを模索する。

　大会スローガンは「探究と対話を深めるNIE　デジタル・多様性社会の学びに生かす」。開会式で、日本新聞協会の中村史郎会長は「自ら探り、問題を解決する力の養成を後押しする手法の一つが新聞の活用だ」と述べ、京都大会を主管する京都新聞社の大西祐資社長は「新聞がいかに次世代の学びをサポートできるか探りたい」とあいさつした。

　基調講演した歴史家の磯田道史さんは、江戸時代の教科書や事典など多彩な刷り物を紹介した上で、変化が激しい現代の子どもたちに求められるのは「問題をたてる力、学び続ける力」だとして、「人工知能の裏をかく賢さが必要だ。新聞を読ませて考えさせたい。新聞も頑張らないといけない」と呼びかけた。

　NIEの可能性を探るパネル討論や、NIEの学習効果調査の報告もあり、参加者が聞き入った。2日は下京区の京都経済センターで公開授業などが行われ、閉会する。当日参加可（有料）。