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「本当にしんどい子来て」多世代で囲む夕食で居場所つくる38歳女性 コンセプトは「野菜でつながる」

京都新聞 / 2024年8月14日 14時0分

IKOIで出す夕食を準備する小山さん(宇治市槙島町・市槙島地域福祉センター)

 小山政代さん(38)は、京都府宇治市槙島町で、幅広い世代が気軽に集える居場所「IKOI(いこい)」を運営する。コンセプトは「野菜でつながる」。月1回、地元産の新鮮な旬野菜を使った夕食を用意し、みんなで味わう。「家では野菜に手を出さない子どもが、周りの雰囲気に影響されて食べるんですよ」と笑顔を見せる。

 新型コロナ流行前まで、市内の別の場所で子ども食堂を運営していたが、貧困など「本当にしんどい子」がなかなか来てくれないのが悩みだった。IKOIが野菜をキャッチフレーズに掲げるのは「間口を広くして、そういった子も巻き込みたい」思いからだという。

 夫の実家が市内で万願寺とうがらしや米、ほうれん草などを栽培する専業農家。結婚後に農業に携わるようになり、形などがいびつで市場に出さない収穫物を産直通販する事業を始めた。「味は出荷品と同様においしいのに捨てられていた。消費者目線で衝撃だった」と理由を語り、IKOIに提供する野菜にも規格外を含めている。

 「食事は、単に生命を維持するためだけではない。ふだん1人や兄弟だけで食事をしがちな子には、みんなで味わう楽しさも知ってほしい」

 そんな小山さんの願いに賛同し、食材は市内の他の農家も提供するほか、友人の管理栄養士がメニューを考え、調理はJA支店の女性部が行う。開催場所の市槙島地域福祉センターを管理する山城福祉会の職員も後片付けを担うなど、幅広い支援が運営を支えている。

 昨年12月に立ち上げて以降、新しい参加者が毎月訪れ、にぎわいを見せるが、親子連れが中心。今後はお年寄りにも来てもらったり、子どもの相手をする大学生を募ったりと、より多世代を巻き込んだ交流を思い描く。「顔見知りになれば気軽に声をかけ、見守り合う地域につながると思うんです」。宇治市槙島町。

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