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ブルーインパルスの航跡を7万人が見つめた空 79年前、戦艦を狙う戦闘機が飛び回っていた

京都新聞 / 2024年8月20日 8時0分

天橋立上空で、白煙を引きながら編隊飛行を披露するブルーインパルス(21日午後2時1分、宮津市文珠・天橋立ビューランド)

 京都府の宮津湾の上空を自衛隊機が自由自在に飛び回った。7月21日にあった航空自衛隊「ブルーインパルス」の展示飛行。見事な航跡に約7万人が見入った。

 同じ上空には79年前の7月30日、米軍の戦闘機の姿があった。湾に停泊する駆逐艦が攻撃され、宮津市街地に爆弾が落とされた。伊根湾では潜水母艦「長(ちょう)鯨(げい)」が標的となり、百人以上が亡くなった。

 今夏、宮津空襲や伊根空襲の体験者や関係者に経験談を伺った。機銃掃射を続ける戦闘機、崩落した防空壕(ごう)、舟屋の屋根に開いた銃弾の跡、流れついた遺体…。丹後地方が戦場になった日は脳裏に刻まれていた。体験者が高齢化する中、忘れてはならない空襲の記憶を紙面に刻んだ。

 戦争の惨禍は戦闘だけではない。舞鶴市の映画館で2作品を鑑賞した。敗戦後の日本を舞台にした「ほかげ」(塚本晋也監督)、ナチスドイツのアウシュビッツ強制収容所の所長一家の生活を描いた「関心領域」(ジョナサン・グレイザー監督)だ。前者は戦争が終わっても残る傷の深刻さに、後者はユダヤ人を大量虐殺した収容所横での豪華な暮らしを送る人間の残忍さに胸を締め付けられた。

 世界ではロシアのウクライナ侵略や中東での報復の連鎖が続く。記事や映画を通して過去の戦争の実相を伝える大切さは切実感を増している。宮津市でブルーインパルスを楽しく眺められたのも今の日本が平和だからだろう。平和の尊さ、戦争の恐ろしさに思いを寄せたい。

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