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三味線の弦に「革命」強いカイコ品種で切れにくく大ホールで余韻、その名は「寿糸極上響明」

京都新聞 / 2024年9月2日 12時7分

明るく澄んだ音色と耐久性を両立させた新たな絹弦を紹介する丸三ハシモトの橋本社長=県庁

 和楽器の弦を製造する丸三ハシモト(滋賀県長浜市)と農研機構は、繭糸の強度が高いカイコ品種を使用することで、音色と耐久性を両立させた三味線用絹弦の開発に成功したと発表した。音量や余韻に優れるため大ホールなどでの演奏に適しているといい、来年1月にも販売を始める。化学繊維の弦が近年多く流通する中、同社は「絹弦ならではの音質をしっかりと後世に残したい」と力を込める。

 繭糸の強度が高いカイコ品種を長年かけて選抜してきた農研機構と、絹弦の生産で高いシェアを握る同社が協力し、約2年をかけ開発を進めてきた。絹弦は音色が繊細で余韻の美しさが特長だが、化学繊維の弦に比べると、摩擦などにより演奏中に切れる頻度が高いのが課題だったという。

 そこで新たな絹弦には、糸の強度と生産量を両立させたカイコ品種「響明」を使用した。既存製品と比べ、弦が破断するまでにはじくことのできる回数が30%以上向上し、プロ演奏家による試験でも耐久性の高さが評価されたという。

 同社の橋本英宗社長は「大舞台では絹弦を使いたいという人が多いが、弦が切れやすいため不安を抱えて演奏に臨まれていた。安心感を持って素晴らしい音色を響かせてもらいたい」と話す。新製品は「寿糸極上響明(ことぶきいとごくじょうきょうめい)」。3本ある三味線の弦で最も細く、切れやすいという「三の糸」用として発売予定で、今後は琴弦など製品ラインアップの拡大を図る。農研機構によると、「響明」は弦のほか、織物向けなど幅広い活用も期待できるという。

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