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所要時間わずか1分、超高速で終わる京都の伝統行事 若者流出で行う家庭は減少「なんとか続けたい」

京都新聞 / 2024年9月4日 16時0分

持ち寄ったまきに火を付け手を合わせる住民ら(京都府福知山市大江町仏性寺)

 豊作を祈る伝統行事「虫除け」が、京都府福知山市大江町仏性寺の如来院近くであった。人口減少で消えゆく伝統行事をできる限り続けようと、住民らが炎を前に誓い合った。

 町内会7組からなる仏性寺地区ではかつて全ての組で虫除けを営んでいた。各家庭が長さ3メートルほどのたいまつを立て、集落のあちこちでともしていた。

 集落から若者が出て行き、高齢化が進むとともに1軒、また1軒と灯が消えた。1990年頃には、行事を続けるのは3組のみとなった。

 担い手が減り、慣例も変えた。たいまつ作りで、山中に分け入って松の枝を拾い集めるのをやめ、各自がまきを持ち寄るようにした。

 この日夕、3組の住民4人が集まった。1カ所でまきに火を付け、十分燃え上がったところで「ときの声上げましょう。もう一声上げましょう」と唱え、山中にある愛宕神社に向かい手を合わせた。

 唱和から豊作を祈り手を合わせ終えるまで儀式の時間はわずか1分。住民たちは「おそらく一番時間の短い行事では」とはにかむ。言葉の意味や、行事の正確な歴史はわからないという。最年長の藤原卓さん(89)は「子どもの頃から身近にあり、疑問を持たずに参加していた」と振り返る。

 住民にとって夏の終わりを感じる歴史ある行事。3組の世帯も5戸と減ったが、藤原さんは「そこら中で伝統がなくなっていく。なんとか続けていきたい」と力を込めた。

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