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北陸新幹線「京都駅3案」難題だらけの新試算 膨らむ総事業費、長引く工事で通行止めも

京都新聞 / 2024年8月8日 5時0分

石川県内を走る北陸新幹線

 京都府を縦断する北陸新幹線「小浜ルート」について、国土交通省が7日示した京都駅の新駅3案と事業費の新試算は、さまざまな難題を突きつけている。

 与党の北陸新幹線敦賀-新大阪間整備委員会に国交省が示した資料によると、(1)京都駅大深度案(2)京都駅南案(3)JR桂川駅案とも、事業費は当初の見込みより約2倍に膨らむことになる。

 (1)京都駅大深度案は、現在の新幹線ホームと並行する駅構造。事業費と工期の試算は3兆7千億円で28年。京都市営地下鉄烏丸線などの構造物を避けねばならず駅が深く、工期は3案の中で最長となる。工事のため長期にわたって八条通の交通規制も必要とした。

 (2)京都駅南案は、東海道新幹線と直交し八条通西洞院周辺から南北方向の駅構造。地下20メートルを想定し難工事を避けられる一方、大規模な用地取得が必要とし、事業費が最も多額の3兆9千億円を見込む。

 (3)はJR桂川駅の北西側。大深度地下のため工期26年と長く、事業費は3兆4千億円。JR京都駅までの乗り換え時間も3案で最長の19分となる。

 総事業費はなぜ、8年前の試算の倍近くに膨らんだのか。国交省は、物価上昇や新大阪駅の軟弱地盤対策、働き方改革による労務費増などを理由に挙げている。

 2016年度の試算では小浜ルートは事業費が2兆1千億円で工期は15年、費用対効果は1.1。米原ルートは事業費が5900億円で工期は10年、費用対効果は2.2だった。

≪大深度地下使用法≫

 地表から40メートル以上の空間などを「大深度地下」と定義し、大都市の地下空間を公共性の高い事業で有効活用する特措法。首都圏、近畿圏、中部圏の三大都市圏に限って2001年に施行された。地権者の同意や用地買収が原則不要で、工期や事業費を抑えられる。京都府内で大深度地下の利用が認可された例はなく、リニア中央新幹線の地下トンネル工事など4事業にとどまる。

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