「亡くなった父母の姿、家にない写真にあった」100年分の思い出 地区の歴史まとめたアルバム

完成したアルバム「中畑100年劇場」と、編集メンバーの谷垣さん（左）と区長の今西宏さん＝京丹波町口八田・中畑公民館

　京都府京丹波町口八田の中畑区の歴史をまとめたアルバム「中畑100年劇場」が完成した。住民組織「中畑甲子会」の設立100年を記念して作った。戦前からの地域の風習や、人々の暮らしの変化を今に伝えている。

　各家庭から寄せられた700枚以上の写真から白黒とカラーの約170枚を掲載した。地元の神事や団体旅行、日常の風景などをジャンルごとに並べた。説明文も添え、A4判横型70ページのアルバムにした。

　そろいの法被に鉢巻き姿で縄をなう男性や、地元特産・黒豆の選別をする女性、公民館で若者の成人を祝う様子など、撮影時期や人物名とともに載せている。

　住民からは「亡くなった父母の姿が、家にはない写真にあり、うれしかった」「先輩方の地元に対する思いが写真から伝わってきた」などの声が寄せられているという。

　編集メンバー6人が中心となって制作した。谷垣利幸さん（54）は「地元の歴史が分かる一冊ができた。今後、過去を振り返る資料の一つになれば」と話す。

　集落全戸へ今夏に配布した。同町図書館中央館でも閲覧できる。