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社説:感染「第4波」 政府の反応が鈍すぎる

京都新聞 / 2021年4月16日 16時5分

 新型コロナウイルスの感染者が大阪、兵庫をはじめ各地で急拡大し、ピークが見えない状況だ。

 政府の感染症対策分科会の尾身茂会長らは「第4波」にあると指摘、政府に迅速な対応を求めた。

 危ういのは医療提供体制だ。

 大阪では重症病床の使用率が9割を超え、府は一部の病院に一般診療を制限してコロナ患者を受け入れるよう要請した。

 専用病床の使用率が7割近くになった奈良県も、民間を含む県内全ての病院に病床確保を求めた。

 医療崩壊が現実化しつつある。

 もはや、飲食店の時短営業要請などを軸とする現在の対応策では限界があるのではないか。

 感染をこれ以上拡大させないためには、飲食店に限らず、人の流れを抑制する実効性ある取り組みを早急に打ち出す必要がある。

 大阪や兵庫では、まん延防止の重点措置が適用されているが、十分に機能しているとは言い難い。

 大阪では病床使用率や感染経路不明者の割合など多くの指標がステージ4(爆発的感染拡大)のレベルに達している。本来なら緊急事態宣言発令に該当する水準だ。

 吉村洋文知事は重点措置の効果が不十分なら緊急事態宣言の発令を政府に求めるとも述べたが、時機を逸しているのではないか。

 兵庫県は伊丹市などを重点措置の適用地域に追加するよう求める方針を示した。神奈川県や埼玉県などにも適用される方向だ。

 重点措置で感染を抑え込めるかは心もとない。効果を高める具体的な戦略を描く必要がある。

 感染力が強いとされる変異株の増加も気がかりだ。厚生労働省の専門家組織は、英国で広がった変異株が、5月前半に首都圏で80~90%程度に、関西では90%台後半に達するとの見通しを示した。

 いっそうの警戒が欠かせない。

 こうした状況にもかかわらず、菅義偉首相は「全国的な大きなうねりとまではなっていない」と繰り返してきた。事態を小さくとらえ、感染拡大の政治的責任を回避しているようにみえる。

 これでは、政府としても踏み込んだ対策にかじを切ることは難しい。あまりにも鈍い反応だ。

 感染抑制の「切り札」とされるワクチン接種は、諸外国に比べて遅れている。国民の大多数が接種を終える前に、さらなる爆発的感染が起きかねない。

 対策は時間との勝負だ。国民の生命と健康が脅かされている現実を深く認識し、政府は危機感を持って臨んでほしい。

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