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社説:都議選の民意 コロナと五輪 不安映す

京都新聞 / 2021年7月6日 16時0分

 新型コロナウイルスへの対応と東京五輪・パラリンピック開催を巡り、政権与党への根強い不満が突き付けられたといえよう。

 次期衆院選の前哨戦として注目された東京都議選で、自民党は33議席を獲得して第1党を奪還したが、23議席を維持した公明党と合わせて目標の過半数に届かなかった。

 自民は改選前の25議席から上積みしたが、前回に半減以下へ大敗した失地の回復にはほど遠い。

 4月の衆参補選など国政3選挙での「全敗」に続き、菅義偉政権にとって打撃は小さくない。

 都議選は、無党派層の多さから時々の世論の「風」を反映しやすいとして、続く国政選挙を占ってきた。秋までに行われる衆院選に向け、有権者がいまの政治をどう捉えているか、改めて見直すことが求められる。

 当初は楽観論もあった「自公で過半数」が失速したのは、コロナと五輪開催に対する都民の不安を映している。感染の再拡大傾向が表れ、頼みのワクチン接種が供給不足で滞ったことが政権与党への逆風となったとみられる。

 小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」は大勝した前回議席数を減らしたが、自民と拮抗(きっこう)する31議席に踏みとどまり、議会運営の主導権を争うことになる。無観客の五輪を求めたことで不安を抱く有権者層を取り込んだ可能性がある。

 共同通信の出口調査によると、候補者の五輪への姿勢を重視したと答えた人が55・3%と過半数を占め、主要な投票基準となったことがうかがえる。

 自民はほとんど触れずに争点化を避けようとしたが、共産党は大会中止、立憲民主党は延期か中止を訴えて共に議席を上積みした。政府のコロナ対策と五輪開催への批判票を浮かび上がらせた形だ。

 ただ、投票率は42・39%と前回より9ポイント近く落ち、過去2番目の低さだった。コロナ以外の要因を含め、分析せねばならない。

 菅首相は、目標議席を下回る結果を「謙虚に受け止める」とした。五輪を成功させ、その余勢を駆って解散総選挙に臨む意向とされるが、五輪に対する民意の厳しさをしっかりと認識すべきだ。

 立民と共産は都議選の1人区や2人区で候補者をすみ分けするなど連携し、双方とも一定の手応えをつかんだようだ。衆院選に向けても候補者調整を進める考えで、巨大与党の対抗軸になり得る野党共闘の政策協議と態勢づくりを加速させる必要があろう。

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