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社説:郵便局長ら処分 根深い問題の解明こそ

京都新聞 / 2021年12月4日 16時0分

 郵便局長らが不適切な政治活動を行っていた日本郵便に対し、総務省が再発防止を求める行政指導を行い、職員に対する服務規律の徹底も指示した。

 同社はこれに先立ち、社内調査結果を公表し、関与した幹部郵便局長ら96人に報酬減額などの人事処分を行った。

 自民党の集票組織として知られる全国郵便局長会(全特)のいびつな体質を浮かび上がらせたものの、疑問点を調べ尽くしたとは言い難い。政治力を誇る全特への配慮が透け、根深い問題の幕引きを急いだ感が強い。

 社内調査によると、2018年度から20年度にかけ、郵便局長らが会社経費で購入したカレンダーを特定の国会議員の後援者らに配っていた。不適切な政治活動は全特が指示し、政治家の後援会の拡大が狙いとみられる。

 カレンダーは顧客へのあいさつ回りの贈答品で、この3カ年に500万本余りを約10億円で購入。政治活動に流用された本数や総額は不明という。

 配布先を決める際に、業務で入手した顧客情報を流用したとの疑惑について、同社は全特側の説明をうのみにし、否定している。

 これではまともな調査とは言えず、疑惑は残ったままだ。

 全特は郵政民営化まで特定郵便局と呼ばれた小規模局の局長ら約1万9千人でつくる任意団体だ。民営化後も多くの局長が所属する大組織は残り、日本郵政グループの経営に影響力を持つ。国政選挙にも幹部らを組織内部候補として擁立し、来年夏の参院選に向けて自民党公認で立候補予定の局長経験者を支援している。

 かつて「郵政一家」ぐるみの大規模な選挙違反事件を起こし、批判を浴びたことがある。今秋の広島県知事選でも現職候補のポスター張りのため、多数の郵便局長が一斉に有給休暇を取得していた問題が明るみに出た。

 背景には業務と政治活動の区別のあいまいさがある、と指摘される。カレンダー配布が発覚後、改めて「勤務中の政治活動の禁止」を指示せざるを得なかったことからも常態化していたとみられる。

 日本郵便など郵政グループ3社は昨年、かんぽ生命保険の不正販売問題で経営トップを一新し、信頼回復に向け再出発を誓ったはずだ。事態を看過した管理・監督責任は重い。それなのに今回も疑惑解明に対する本気度は疑わしい。

 この際、法令順守や企業統治を徹底し、悪弊を一掃すべきだ。安易な幕引きは許されない。

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