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社説:来年度予算案 財政健全化の旗どこに

京都新聞 / 2021年12月25日 16時5分

 たがが外れたように、歳出の膨張が止まらない。

 政府がきのう閣議決定した2022年度予算案である。一般会計の歳出総額は107兆5964億円に上り、10年連続で過去最大を更新した。

 新型コロナウイルス対策に引き続き注力するというが、巨額借金を重ねての綱渡りであり、やりくりへの緊張感がうかがえない。

 コロナ対策で膨れあがった21年度当初予算より、さらに約9900億円増やした。

 歳入のうち3割強を借金にあたる新規国債で補い、その発行額は約37兆円にもなる。過去最高の税収を見込み、2年ぶりに減らしたとアピールするが、楽観的にすぎないか。コロナのオミクロン株拡大で景気下降の恐れもある。

 国債発行残高は22年度末で1026兆円となる見通しだ。実に日本の国内総生産(GDP)の2倍弱。借金依存に慣れてしまったとしたら危険だ。

 将来世代の重い負担となり、経済への成長期待を低下させると指摘するエコノミストもいる。

 ところが、歴代政権が掲げた財政再建があやしくなっている。22年度予算編成に向けた政府の基本方針で、例年あった「歳出改革」「(歳出の)聖域なき徹底した見直し」の文言がなくなった。

 強調したのは「危機に対する必要な財政支出はちゅうちょなく行い、万全を期す」である。

 経済優先を鮮明にし、財政健全化はかすむばかりだ。しかし、コロナ禍後の持続可能な経済につながる中長期的な政策は見えない。

 団塊の世代が22年から75歳以上の後期高齢者になる。予算案の社会保障費は過去最大の36兆円超で、全体の3分の1を占める。今後、比重は増す見通しだが、負担と給付の在り方など抜本的な改革に向けた議論は進んでいない。

 防衛費も過去最大の5兆4千億円超に上る。コロナ対応では前年同様の5兆円の予備費を積んだ。

 成立したばかりの21年度補正予算は過去最大の36兆円に上り、コロナ対応が名目だ。

防衛費7千億円超も含まれている。当初だけでは予算規模は見えてこない。

 岸田文雄首相は、補正と一体の「16カ月予算」として22年度予算を編成すると表明した。補正で増額することが常態化し、当初より予算規模が大きく膨らむ傾向が続いている。税収が伸びない限り、借金は増えるばかりだ。

 年明けに始まる通常国会で、厳しく審議する必要がある。

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