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【母の思い!】許される糖質は1日わずか8g 糖質を控えなければならない難病の息子へ 

KYTニュース / 2024年12月21日 7時0分

鹿児島読売テレビ

許される糖質は1日わずか8g・・・。ご飯やパンに麺も、果物もダメ。もし我が子に、そんな厳しい食事制限が必要と診断されたら…。国内にわずか200人、糖質を控えなければならない難病と闘う親子。母の思いは ”元気に過ごしてくれれば1番”。糖質を控えなければならない難病の少年と家族の思い、求める支援を取材しました。

■生後2か月で我が子が国内200人の難病に 

ゆうくん(仮名)

鹿児島市に住む小学4年生のゆうくん(仮名)。国内で200人ほどしか診断されていないという難病、「グルコーストランスポーター1欠損症」と闘っています。ゆうくんに異変が起きたのは生後2,3か月のころ。原因不明の痙攣がおき、病院を回った末、髄液検査で病気が発覚しました。

(ゆうくん 母)

(母)

「今からすぐ入院して食事療法とか色々しないといけないと言われて」

■グルコーストランスポーター1欠損症とは!?

ケトン体から脳のエネルギーを

グルコーストランスポーター1欠損症はエネルギー源であるブドウ糖を脳に取り込みにくい難病で、脳のエネルギー不足により、てんかん発作や発達の遅れ、運動障害などを引き起こします。最も効果的な治療法は食事療法。人にはブドウ糖が不足すると脂肪を分解してケトン体を作り代わりにエネルギー源とする機能が備わっています。そのため糖質を控えブドウ糖を不足させ、ケトン体の元となる脂を多く摂取することが症状の改善に繋がるのです。

脂質が必要に

ゆうくんが摂取できる糖質は1日僅か8~10グラム。糖質が多く含まれるご飯やパン、麺、芋や根菜類、果物、砂糖など甘い調味料やお菓子も控えなければなりません。

(母)

「食材を買うにしてもまず裏面の成分表を見てから。この子にとっては「脂が命」って言ったらおかしいけど主食になってくるので」

ケトン体を作るため、脂を多く摂る必要があります。

(母)

「油をまぜて生クリームをまぜてパンケーキ作りましょうって。最初はやる気満々だがこれを毎日1日何回となると結構体もたなかったりして」

オリーブオイルやMCTオイル、生クリームやバターなどを大量に使うため、家族の食費と別に月に4,5万円ほどかかるといいます。

■ゆうくんの学校生活に母の思いは・・・。栄養教諭の思いは!?

鹿児島読売テレビ

発達の遅れもあり、特別支援学校に通うゆうくん。登校してまず向かうのは給食室です。

持ってきた弁当を、みんなと同じ給食の食器に移し替えてもらいます。

(栄養教諭)

「本校ができる可能な範囲で同じ環境を整えるという意味で衛生上問題ないか確認しつつも食器を移し替えています」

補食が必要

友達と一緒の食事を楽しんでほしいと、お母さんは毎日献立表を確認し出来るだけ給食と似たメニューを入れるようにしています。3食の食事だけでは脂が足りないため、授業の合間に補食としてゼリー状のオイルも摂ります。給食の時間。友達が食べる、ご飯や味噌汁の代わりに、ゆうくんは、特殊ミルクのパンケーキに脂質の多い魚や肉。水筒のお茶やスープにもオイルが入っています。

(ゆうくん)

「おいしい。骨が入っているの(魚好き?)うん」

■子供の本音に母ができることは・・・。

鹿児島読売テレビ

学校から帰ると、お楽しみのおやつの時間。選んだのは低糖質のクッキー1枚です。

(母)

「1日1個、どんなに欲しくてもね。遠足も、お友達はいっぱいお菓子あるけどごめんね

これでと言うとわかっているから大丈夫だよって」

でも、本音は…

(母)

「お友達と一緒のモノ食べたいと思う?」

(ゆうくん)

「うん」

テレビに映る料理やお菓子を見て「美味しそうだね」と呟くことも。お母さんはゆうくんが食べられる物で作ってあげられないかレシピを探すそうです。

★母

「こんなだけど元気に過ごしてくれれば1番、何事もなく。学校で何かあったとか倒れたって言われるときが一番怖いから」

■食事療法の費用を一部負担の自治体も…。専門家の見解とは

(大阪大学大学院医学系研究科小児科学・青天目信医師)

20年ほど前から、この病気の患者を診てきた小児神経の専門医は、食事療法についてこう話します。

(大阪大学大学院医学系研究科小児科学・青天目信医師)

「今のところは恐らく一生しないといけない。いくつになってもちゃんと効いてくれて症状をよくできる希望がある一方ずっと続けないといけないプレッシャーにもなっている」

以前患者にとったアンケートでは月に3万から7万円ほど費用がかかるという結果も出ました。

鹿児島読売テレビ

(大阪大学大学院医学系研究科小児科学・青天目信医師)

「食事療法で負担が増えている場合は、年間上限はあるが少し助成しますと言う自治体も出てきている。そういう流れが全国的に広がると非常に助かるし食事療法が必要な患者さんはグルット1欠損症だけじゃなく他にもいろんな病気であるのでそういう患者さんに使えるように制度が広がってもらえたらすごく嬉しい」

県外では食事療法にかかる費用の一部を助成する自治体も出てきたものの、鹿児島市には制度がありません。昨今の物価高騰にも頭を悩ませています。

(母)

「一番必要な卵とか生クリームバターとか、あとオリーブオイル。ほんと必要なものが上がっているから、いかに節約しながら買うか…助成金が出れば一番助かるんですけど」

鹿児島読売テレビ

9年間続ける食事療法ですが、成長につれ難しさも感じています。

(母)

「簡単に外食とか旅行が出来ないです。食べ盛りでいろんなものが欲しいけど、この子もすごく我慢している」

食べることが大好きだというゆうくん。その楽しみを守り、拡げてあげたい…。母の願いです。

(2024年6月20日 KYT news.everyかごしま 放送)

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