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【学校の働き方改革】教職員の業務効率化にICT

KYTニュース / 2025年1月18日 14時0分

鹿児島読売テレビ

業務量の多さや人手不足で多忙を極める学校の先生達。「働き方改革」を求める声が高まっています。教育現場では今、試行錯誤をしながら「働き方改革」に向けた取り組みが進められています。

■先生たちの働き方・・・現状は!?

鹿児島読売テレビ

まずは先生達の働き方の現状についてです。文部科学省が2022年度に行った調査によりますと、国が残業の上限としている月45時間を超えるとみられる教職員は小学校で64.5%、中学校では77.1%居ます。県内では去年の下半期で小学校では18.9%、中学校では27.8%と全国と比べると低いですが教職員の業務量の多さが伺えます。学校の先生達の忙しさは全国的な課題となっています。多忙を極める学校現場で「働き方改革」が求められる中、鹿児島県垂水市ではICT=情報通信技術を使って教職員の業務を効率化する取り組みが行われています。

■鹿児島県垂水市の「働き方改革」取り組みは

(水之上小学校・肝付雅和先生)

垂水市の水之上小学校。登校した子供たちが、最初にやることは。

(水之上小学校・肝付雅和先生)

「じゃあタブレットを出して。スクールライフノートを入力してください」

タブレットの入力です。垂水市では通信教育や学校向けの教育支援などを幅広く手掛けるベネッセグループのEDUCOMスクールライフノートを導入しています。自分の今の心の状態を晴れ、曇り、雨、雷の天気で表して入力。担任の先生にも瞬時に情報が共有されます。これを日々続けることで例えば晴れマークが続いていた児童が急に雨マークをつけた際、先生側は何か落ち込むような出来事があったのではないかと注意を払うこともできると言います。

今の心の状態を入力

(EDUCOM・安藤次郎さん)

「ICTが導入されて子供たちから色々な情報が発信できるような環境が整ってきたので心の天気を通じて子供たちの心情理解を先生方に深めていって頂きたいと思っている」

スクールライフノートには日記を入力できる欄もあり、これによって先生たちの業務軽減にも繋がっています。

(水之上小学校・肝付雅和先生)

「一人一人日記帳に目を通して内容を読んでコメントを書くということで一人一人の閉

じたり、開いたりの作業を含めて時間がかかっていたが一覧で子供たちの心の天気が分かるので朝、帰りのときの気持ちがすぐ分かる」

(児童)

「(日記帳と比べて)こっちのほうが楽でいい」

■垂水市のスクールライフノートの導入のきっかけは…コロナ!!

垂水市・坂元 裕人教育長

夏休み中にもスクールライフノートを活用することで、児童の様子を把握することができたと言います。スクールライフノートを導入した垂水市の坂元 裕人教育長。導入の背景にはコロナ禍で落ち込んだ子供達の様子がありました。

(垂水市教育委員会・坂元裕人教育長)

「コロナ禍、あるいはコロナの真っ只中の世代の子供達、どうしても下を向きがち、伏し目がちだったという子供が多かった。その中で明るく元気に心を安定させて学校生活を送らせるにはと考えていた」

授業にもタブレット端末を活用します。子供達はタブレット端末を使って宿題を事前に先生に送信。先生は授業より前に宿題に目を通すことができ授業を準備する時間を確保できるようになったと言います。

(水之上小学校・肝付雅和先生)

「1つの画面に子供達の意見、まとめなどを見ることができるので全員の考え方をある程度一覧で把握することができる」

鹿児島読売テレビ

さらに6年生の教室では。

(児童)

「これから水之上小学校の発表を始めます」

垂水市にある7つの小学校をすべて繋いで一斉授業が行われていました。総合的な学習の時間で、それぞれの学校が調べたことに対して意見交換を行います。少子化などの影響で児童の数が少なくなる学校もある中、他の学校の児童と関わる機会は子供達の成長にも繋がっていると言います。

(6年生担当の先生) 

「本校の6年生は13人と人数が少ないので中学校に行って大人数になったときに不安を抱える子供たちが多くいる。中学校に行ったときに不安にならないように遠隔授業でたくさんの子供たちと交流できたことが、すごく良かった」

(児童)

「関わりがなかった子たちと交流できて、中学生になった時に友達が増えたらいいなと思った。結構緊張した」

(児童)

「他校生と授業ができて楽しかった」

鹿児島読売テレビ

ICT技術を使うことで先生達、そして子供達にも様々なメリットがありそうですね。垂水市がICT技術を導入したきっかけとなったのは国が2019年から提唱している「GIGAスクール構想」です。「GIGAスクール構想」はこれまでの教育に1人1台のタブレットなど端末と高速のネットワークを整備することで子供達、一人一人の個性にあった教育や先生や子供たちの力を最大限に引き出す教育を実現しようとする取り組みです。垂水市が実践しているICTを活用した例は他にもあります。少人数の学校で行われている複式学級は従来1人の先生が、2つの学年の授業を同時に並行して行うものでしたが、垂水市では複式学級をもつ学校同士をインターネットでつないで例えば3年生の授業の際、Aの学校の先生が Bの学校の3年生にも教えます。1人の先生が1つの学年を見られるようにしています。学校の現場で求められる「働き方改革」は先生達の工夫だけでは追いつかない部分もあります。行政側がICTなど様々なツールも活用しながら試行錯誤を重ねていく必要があります。

(KYT news.everyかごしま 2024年11月8日放送)

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