老けずに痩せるための食事のコツは?専門家が教える食習慣
つやプラ / 2020年8月23日 21時30分
外出自粛により、つやプラ読者の約6割が実感しているコロナ太り。つやプラ世代がコロナ太りを解消するためのダイエット方法について、摂南大学でスポーツ科学を研究する藤林先生に前回に引き続きお話を伺いました。
第三回目の今回は、痩せやすく健康的な身体に導くための食生活やおすすめの生活習慣について教えていただきました。
■ダイエットにはバランスのよい食生活を送ることが大切
たんぱく質ばかり摂るのがいいわけではない
「良質なたんぱく質や必須アミノ酸などを摂ることが痩せやすい身体作りには大切ですが、特定の栄養素や食材だけを摂るのはおすすめできません。大切なのはバランスよく摂ることです」
「バランスの良い食事をするための指標としておすすめなのが、厚生労働省と農林水産省が共同で制作した『食事バランスガイド』の活用。何をどれだけ摂るとバランスのよい食事になるか分かります」
「それによると、お菓子などの趣好品や水分も適度に摂る必要があるとなっています」
「これからの季節、夏バテで食事が進まないという人も少なくないと思いますが、食事の代わりに清涼飲料水やお菓子で済ませてしまうのは、痩せやすい身体から遠のいてしまいますし、健康の意味でもおすすめできません」
「食事を摂らないと痩せやすい身体から遠のくだけではなく、肌や髪がパサつく原因にもなります。『食事バランスガイド』の活用の他、一日の食事や食べたものを書き出したりアプリをうまく活用するなど、バランスのよい食事を心掛けてください」
朝食を摂らないと太る理由
「忙しくても、少しでも朝食は摂った方がいいですね。朝食を食べることで、脳に朝である信号が送られて自律神経が整います」
「自律神経が乱れてしまうとイライラしてしまい、食べ過ぎなどを招く原因にもなります」
「また、朝食をスキップしてしまうと前日の夕飯から昼食までの長い時間、エネルギーが体内に入ってこないことになります」
「そうすると、身体はしっかりエネルギーを吸収しようとするので、太りやすい体質になってしまうと言えます」
糖質を一切摂らないのは危険!
「糖質カットダイエットが流行っていますが、糖質の元である炭水化物を一切摂らないのは危険です」
「炭水化物は三大栄養素の一つで、脳や身体のエネルギーになる重要な栄養素です。また、糖質カットを続けると心疾患のリスクも高まると言われています」
「ちなみに私の場合、朝と昼はしっかり炭水化物を摂り、夜はなるべく摂らないようにしています」
「朝、昼はこれからエネルギーを使うタイミングなので摂るようにし、夜はあとは眠るだけなので、あまりエネルギーを使わないだろうという考え方です」
■睡眠不足だと暴飲暴食しやすくなる!?
夜更かしするとスナック菓子が食べたくなるのは人間の本能!?
「良質な睡眠をとることはダイエットにおいても大切です。睡眠不足だと朝起きた時から交感神経が必要以上に活性化してしまい、イライラする原因になります」
「その状態が一日中続くと食べ過ぎを招いてしまうこともあります。またイライラしていると『運動しよう』『ダイエットに取り組もう』という気持ちになかなかなりづらくなります」
「また、夜遅くまで起きているとき、ポテトチップスなどが頭に思い浮かんだ経験はないでしょうか。実はそれは身体の正しい応答で、夜遅くまで起きていると胃からもっと食べたい、脂っこいものを食べたいというグレリンというホルモンが出てくるからなのです」
「生きるための栄養素は足りているのに、脳が騙されてそういう反応が出てきてしまいます。ですから、夜更かしをしないこともダイエット成功のために大切です」
まとまった睡眠がダイエットには必要
「『良質な睡眠』の指標は朝起きて『スッキリしているな、良く眠れたな』と感じられることです。とるべき睡眠時間は個人差が大きいので、時間よりもこのような感覚が得られることを指標にしてみてください」
「睡眠時間の中でも『身体を休めるのは、まとまった睡眠時間の中の後半の時間帯』『成長ホルモンは夜中12時頃にピークになる』など、時間によって睡眠の役割が違います。そのため、睡眠はまとまった時間しっかりとることが大切です」
「寝る前にスマホを見ない、入浴から睡眠までの時間を空けるなどの工夫をして、良質な睡眠を心掛けてください。良質な睡眠は自律神経を整え、食べ物の消化吸収の正常化など健康を維持することにもつながります」
全三回に渡り、つやプラ世代におすすめのダイエットに効果的な運動や食生活について教えていただきました。
藤林先生によると「運動・栄養・睡眠」は健康的にダイエットをするための3本柱。これらを心掛けながら、ダイエットに取り組んでみてください。
【藤林 真美(ふじばやし まみ)先生 プロフィール】
摂南大学農学部教授。博士(人間・環境学)。大学スポーツコンソーシアムKANSAI理事。日本体力医学会評議員。専門は運動生理学。研究テーマは栄養とスポーツ、加齢・メンタルヘルスとスポーツなど。
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