専門家に聞く「更年期の不調を和らげる」おすすめのヨガポーズ
つやプラ / 2020年10月14日 19時30分
つやプラ世代の多くが感じている更年期への不安。どんな不調が起こるのか分からないという漠然とした不安や、この不調がいつまで続くのかという差し迫った不安…。様々な不安がありますが、更年期の不調と上手に付き合っていく方法を探すことで、その不安を和らげることができるかもしれません。
前回の記事では、摂南大学の佐久間夕美子准教授に更年期の不調に対するヨガの健康効果についてお伺いしましたが、今回はおすすめのポーズや、ヨガを行う時間、期間について教えていただきました。
■身体の変化を感じるには2週間は続けて
ーー前回、ヨガは決められた回数や時間やらなくては!と思うより、自分の体調と相談しながら行うと良いと伺いましたが、ヨガの効果を感じられるまで、どれくらいの期間続けるといいのでしょうか?
「ヨガはゆっくりした動きで強度も弱めなので、すぐには変化を感じられないかもしれませんが、少なくても2週間くらいは続けて、体調の変化や身体の様子を見てみるといいと思います」
「私が行った更年期の女性を対象にした研究では、5分くらいで行えるポーズ数×3セットというプログラムを組みました。全部行うと20分くらいですね。忙しい方が多いので、毎日行うにはそれくらいの時間が現実的かなと思います」
「研究に参加した方からは、2週間経ったあたりから体調に変化を感じられた、身体が変わってきた感触があったという声がありましたね」
「だんだん身体が柔らかくなって肩こりが楽になった、という人もいました。あとは、腰痛、気分の落ち込み、冷えといった不調が改善されてきた人もいました」
■更年期の不調におすすめのヨガポーズは?
子宮周りの血行を良くするポーズで不調にアプローチ
「子宮の周りの血行を良くするポーズがいいと思います。『猫のポーズ』や『合せきのポーズ』などが有名ですね。これは生理痛にもいいと言われていますし、マタニティビクスなどにも使われています」
●猫のポーズ
(1)両手と両膝を床につき、足の甲を床につけて四つんばいになります。
息を吐きながら手のひらで床を押して背中を丸めます。
首の力を抜いて、おへその辺りを見ましょう。
(2)息を吸いながら、天井を見上げるように腰を反らしていきます。
首を長く伸ばすように顔は斜め上に向けましょう。
腰痛がある人は、無理に反らさずに行いましょう。
●合せきのポーズ
(1)両足裏を合わせて座り、つま先を持って、かかとを身体の方へ引き寄せます。
(2)息を吐きながら、おへそをかかとにつけるように身体をゆっくり前に倒します。
身体を倒した状態でゆっくりと呼吸を繰り返し、息を吸いながら静かに身体を起こします。
コブラのポーズで縮こまりがちな身体を伸ばして
「肩こりに効果がある『コブラのポーズ』もいいですね。背中や肩などを動かしますので、縮こまりがちな身体を伸ばすのにいいんです」
●コブラのポーズ
(1)足を骨盤の幅くらいに開いてうつ伏せになります。
脇を締めて、両手を胸の横に置きます。
(2)息を吸いながら両腕を伸ばして、胸を上げていきます。
この時、床から恥骨と足が離れないように気をつけましょう。
ゆっくりと呼吸を繰り返し、息を吐きながら元の姿勢に戻ります。
腕で上体を持ち上げるのではなく、背筋を使って持ち上げましょう。
「ただ、あまり難しく考えるより、自分が取り入れやすいポーズを、気持ちいいと感じる範囲でゆっくりと行うのがいいと思いますね」
「生理痛やPMS、更年期にいいと言われるポーズは、どちらも女性の不調にアプローチするポーズなので共通していると思います」
「ただ、人それぞれ感じる不調は異なりますし、体力や柔軟性も違いますので、自分に合うポーズを探すことをおすすめします」
ヨガの終わりは「屍のポーズ」で心身をリラックスさせて
ーー子宮周りや腰などにアプローチするポーズを基本に、あとはそれぞれの気持ちがいいポーズを、ということですね。
「そういうことです。あと、もう一つヨガには大きな特徴があって、それは一通りポーズが終わった後に、身体を休める時間があるということなんです」
「『屍のポーズ』といって、仰向けで横になり、全身の力を抜いて深く呼吸をするのですが、それをすることでヨガで火照った身体を落ち着かせ、心をリセットするんですね」
「『屍のポーズ』を最後に行うことで、必ず心身ともに落ち着いた状態で終わりになるのがヨガの大きな特徴であり、更年期の不調にアプローチするのにも役立っていると思います」
ーーでは、自宅でヨガを行う時も、最後は屍のポーズで終わるといいのでしょうか。
「それがいいですね。少しの時間でもいいので、何も考えず全身の力を抜いてリラックスすると、心身ともにリフレッシュできますよ」
「毎日忙しく過ごしていると、何も考えない時間をなかなか取れないもの。ヨガの終わりの5分だけでも、頭を空っぽにして心身ともにリラックスする時間を作ってみてください。ヨガをするときに、穏やかな気持ちになれる香りのお香やアロマなどを使うのもおすすめですよ」
つやプラ読者にも人気の高いヨガが、更年期の不調と上手に付き合うのに役立つというのは嬉しいですね。更年期をこれから迎える人も更年期の最中にある人も、ヨガで心身を解きほぐす時間を日常に取り入れてみてはいかがでしょう。
【佐久間 夕美子(さくま ゆみこ)先生 プロフィール】
摂南大学看護学部准教授。博士 (看護学)。日本健康医学会評議員。専門は基礎看護学。研究テーマは、女性の健康、妊産婦の支援、ヨーガ、健康教育、看護教育など。
(つやプラ編集部)
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