専門家がアドバイス！快眠に導くアイテムと選び方のポイント

積水化学工業株式会社 住宅カンパニーの調査研究機関である株式会社住環境研究所が2019年に実施した”睡眠状況に関する実態調査”によると、睡眠に対する不満を抱えている40代は、全体の4割を超える結果となりました。同調査結果によると、睡眠不満を抱えている人の多くが「日中の眠気」「睡眠時間が足りない」「起きた時にスッキリしない」と感じていることも明らかになっています。

アンチエイジングアドバイザーの筆者が、調査結果をふまえ、「睡眠」「疲労回復」の専門家である福田英宏さんにご協力いただきながら、快適な睡眠のためのおすすめアイテムとアイテム選びのポイントをご紹介します。

■パジャマ

選び方のポイント

パジャマを選ぶうえで重要なのは、寝返り、発汗、発熱がしっかりと対応できるかです。就寝中はコップ1杯分の汗をかくといわれています。そのため、パジャマの生地は、綿やシルク、麻などの天然素材のものがおすすめです。

化繊を使用した素材のパジャマは吸収性が低く、蒸れが生じやすいのでさけましょう。また、モコモコのルームウェアも可愛くて人気ですが、「吸収性があるか」「寝返りの邪魔にならないか」「動いた時につっぱる感じがないか」など、睡眠にとって大事なポイントをふまえて選ぶことが大切です。

おすすめのパジャマ

しなやか3重ガーゼパジャマ／リフランス

「シリカ」や「トルマリン」などの数種類の天然鉱石のミネラル混合体である「プラウシオン®」をコーティングした特殊な生地を使用したパジャマです。その天然鉱石から発せられる遠赤外線が、リラックス状態に働くとされる副交感神経に作用し、血流改善や疲労回復といった効果が期待できます。

綿100％の3重ガーゼとなっているので通気性と保温性にすぐれ、非常に柔らかい素材のため肌触りや着心地が良いのが魅力です。寒い季節はもちろんのこと、春や秋にも快適に着用することができます。

また、就寝中に着用することで、睡眠へのサポート効果が期待できます。
（全2色　S　M　L　税抜価格22,000円）

■入浴剤

選び方のポイント

精油の「ラベンダー」や「カモミール」などには鎮静作用があるのでおすすめです。人は、体温が下がると眠くなる性質をもつので、入浴剤では深部体温を上げることも大切です。そういう意味では、「エプソムソルト」や「中性重炭酸」を使ったものが良いでしょう。

このほか、「CBD」が配合された入浴剤もおすすめです。CBDは、植物の「麻」から抽出される100種類以上ある成分のうちのひとつで、正式名称は「カンナビジオール」といいます。

陶酔作用や依存性はなくWHO（世界保健機関）でもその安全性は証明されており、主に食品や化粧品に添加されて、現在欧米を中心に爆発的ヒットを記録している注目の成分です。日本でも厚生労働省から正式な輸入許可を得て販売が開始された、話題の新成分でもあります。

おすすめの入浴剤

エプソムソルト／アースコンシャス

古くから欧米で親しまれてきた入浴剤です。エプソムソルトは、名前に”ソルト”とついていて見た目も白い粉末ですが、塩ではありません。イギリスのエプソムという場所で発見された、「乳酸マグネシウム」というミネラル化合物のことを指します。そのため、風呂釜を痛める心配もありません。

保温効果や保湿効果などがあるうえ、リラックス効果や疲労回復効果が期待でき、お湯もまろやかになります。また、エプソムソルトは海水に含まれる「ミネラル」を豊富に含んでいることから、ミネラル補給も期待できるといわれています。

こちらの入浴剤はそのままお風呂に入れて使用する他、精油で香りづけしたり、重曹や岩塩をブレンドしたりと、自分の好みや目的に合わせてカスタマイズすることができます。100%国産で最高級グレードのエプソムソルトが使用されているのがポイントです。
（800g　税抜価格800円／3kg　税抜価格1,600円／10kg　税抜価格3,500円）

薬用 中性重炭酸入浴剤／BARTH

重炭酸の入浴剤です。通常の炭酸入浴剤よりも炭酸が水に溶け込みやすく、血流を促進しやすいといわれています。通常の炭酸入浴剤が翌日の追い焚き時に炭酸効果を減少させるのに対し、こちらのアイテムは24時間効果が持続します。

配合されている「ビタミンC」は塩素を中和する作用をもつため、湯船に入れると柔らかいお湯になって肌あたりが良くなります。疲労回復、肩こり、腰痛、冷え性、神経痛、リウマチ、あせも、ニキビ、荒性などの改善にも効果が期待できます。
（9錠　税抜価格900円／30錠　税抜価格2,500円／90錠　税抜価格6,000円）

「Nenne（ネンネ）」 CBDバスボム／UNBD

「ラベンダー」や「ローズウッド」「オレンジ」といった天然由来の精油と「CBD」を配合したバスボム（浴用化粧料）です。不眠や寝つきが悪い、ぐっすり眠れないといったお悩みに、リラックス感をもたらしながらアプローチします。

CBDの配合量は、50mg、100mg、200mgの3種類から選ぶことができます。より高いアプローチ力を求めるなら200mgがおすすめですが、個人差や体調などに左右されることもあるので、50mgからはじめてみても良いでしょう。

この他、天然ミネラルを豊富に含む「ホワイトクレイ」や保湿効果のある「グリセリン」や「ホホバオイル 」などが配合されているので、美容効果も期待できます。
（50mg　税抜価格1,300円／100mg　税抜価格1,600円／200mg　税抜価格2,200円）

■寝具

選び方のポイント

寝具は実際に店舗などで寝心地を試して購入することが大切です。また、枕とマットレスはセットで購入することがおすすめです。

というのも、枕は頭をのせるためのものではなく”首を支えるもの”なので、首と枕の間に隙間ができないことが重要です。頸椎のカーブを自然に保つことができるかという視点で選ぶようにしてください。また、マットレスと枕が違う素材だと、立ち姿勢が理想とされる睡眠時の姿勢において、自然な湾曲が保たれず、それが寝づらさにつながる場合があるからです。

素材については、体格がよく体重がある人には「高反発素材」が向いています。人は寝ている間に20〜30回程度の寝返りを打つといわれていますが、高反発素材のマットレスなら体重が思い人でもスムーズに寝返りを打つことができます。逆に小柄で体重が軽い人は、「低反発素材」が向いているかもしれません。

いずれにしても、マットレスの耐用年数は約5年です。へたると質の良い睡眠が得られなくなってしまいやすいので、この時期を目安に買い替えを検討してみてください。

■食品やサプリ

選び方のポイント

不眠は、「ギャバ誘導体」の機能低下が原因のひとつといわれています。これは、チョコレートにも含まれている「ギャバ」という栄養素が不足しているためです。

その他にも、アミノ酸の一種である「トリプトファン」や「グリシン」に睡眠の質を向上させる効果があるとされています。

おすすめの食品

GABAフォースリープ／江崎グリコ

睡眠の質を高める効果が期待できる機能性表示食品です。ミルクタイプのチョコレートで、チョコレートの美味しさはそのままに、夕食後など就寝前にぴったりの一粒サイズになっています。

こちらのチョコレートに含まれる「γ-アミノ酪酸」は、100mg摂取することで眠りの深さやスッキリとした目覚めなどの睡眠の質を高める効果が期待できるといわれています。「まろやかミルク」なら3粒、「ミルク」なら6粒がそれ相当の配合量となります。
（全2種　ノープリントプライス）

トリプトファンを多く含む食品

トリプトファンを多く含む食品は、「カツオ」「マグロ」「牛もも肉」「木綿豆腐」「チーズ」「牛乳」などです。これらを朝食で食べることがおすすめです。

おすすめの睡眠サプリ

グリシン／オーガランド

「グリシン」だけではなく、「GABA」や「トリプトファン」も配合されたサプリメントです。そのため、リラックスすることによってより睡眠の質を高める効果が期待できます。

1回分が個装されているので、旅行や出張などの際にも便利です。また、人工甘味料不使用でグリシンそのものの甘みを利用したアイテムなので、歯磨き後、就寝前の摂取でもOKです。
（1.5g×30包　税抜価格810円）

今回は、「睡眠」「疲労回復」の専門家である福田英宏さんにご協力いただきながら、快適な睡眠のためのおすすめアイテムとアイテム選びのポイントをご紹介しました。この機会に睡眠環境について見直し、快適な睡眠環境を整えてみてください。

【福田英宏（ふくだ・ひでひろ）さん　プロフィール】

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科（修士）：研究テーマ『疲労回復ウェアに関する研究』／睡眠改善インストラクター／温泉入浴指導員／分子整合スポーツ栄養アドバイザー／Wasedaウエルネスネットワーク講師／日本スポーツ産業学会 正会員

株式会社RecoveryAdviser（リカバリーアドバイザー） 代表取締役。プロアスリートをはじめとするスポーツ選手に「リカバリー理論」を指導するほか、休養や健康関連を展開する企業のコンサルティングを手掛ける「疲労回復の専門家」として活動中。これまで指導したスポーツ選手は、プロ野球球団やプロサッカーチームをはじめ、ラグビーやバスケット、バレー、卓球、テニス、ゴルフ、トライアスロンなど多岐にわたる。リカバリーウェアをはじめ、各種サプリ・グッズ等の最適な使用方法をアドバイスしてきた。自身も小学生5年から大学まで本格的に水泳競技に打ち込み、大学卒業後にはトライアスロン日本選手権に出場。また日本山岳耐久レースにも出場している。

（アンチエイジングアドバイザー　遠藤　幸子）