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更年期は歯周病に要注意!歯科医師に聞く「健康な口もとの保ち方」

つやプラ / 2020年12月25日 19時30分

更年期は歯周病に要注意!歯科医師に聞く「健康な口もとの保ち方」

つやプラ読者が気になっていることの上位に挙がる「更年期」。更年期の不調自体も気になるところですが、「歯」や「口の中の状態」にも、更年期と閉経を経て変化が起こることを知っていますか? 「口の中の状態」は健康的に年齢を重ねていくためにとても重要なポイント!

そこで歯科医師であり、口もと美容スペシャリストでもある石井さとこ先生に、更年期に起こりやすい口の中のトラブルとその対策について教えていただきました。

女性の方が歯周病になりやすい!? その理由は?

ーー更年期から閉経へ向かい、女性の身体だけでなく、肌や髪などに様々な変化が起こります。歯や口腔内の状態にも変化が起こるのでしょうか?

「歯周病についてはご存知の方も多いと思いますが、現代の成人の85%が歯周病だと言われています」

「虫歯と違って痛みなどの自覚症状があまりなく、知らぬ間に進行し、歯を支える組織にダメージを与えていくのが歯周病。その歯周病の原因となるのが歯周病菌です」

「歯周病と女性ホルモンにどんな関係があるの?と疑問に思う人も多いはず。実は、歯と歯肉の間から微量の女性ホルモンが出ており、一部の歯周病菌はそれをエサにして繁殖すると言われています。このことから、男性より女性の方が歯周病にかかりやすいと言われてます」

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「女性ホルモンが大きく変化する思春期、妊娠期、更年期~閉経後は、歯周病菌が活発になり、歯周病リスクが高まるのです」

更年期以降は唾液が減るドライマウスに要注意!

ーー更年期を経て、閉経すると、女性ホルモンの分泌が減るので、リスクが下がりそうな気がします…

「女性ホルモンの分泌が低下することで、骨密度が下がり、骨がもろくなるんです。顎の骨密度も低下するので、噛む力が弱くなってしまい、ゆるくなった顎や歯肉が歯周病リスクを高めるのです」

「また、更年期になるとホルモンの乱れなどから、唾液の分泌が減少して口内が乾燥する『ドライマウス』になりやすいと言われています」

「唾液には、口内の細菌の繁殖を防ぐ働きもあり、それが減少してしまうことも歯周病リスクの上昇につながります」

ーー歯を支える骨が弱ってしまうと、インプラントなどもできませんよね。なんだか怖くなってきました。

「そうなんです、インプラント治療をするにしても、骨がしっかりしていないとできません。歯を失ってからでは遅いので、先のことを考えて今からきちんとお手入れをすることが大切です」

「まずは、プラークコントロールをしっかり行いましょう。プラークとは歯周病の原因となる歯垢のこと。プラークは歯と歯肉の間につきやすく、取り除かずにいると硬くなって歯石になります。歯石を歯磨きで取り除くことは難しく、歯ぐきが腫れる歯肉炎や歯周病の原因になってしまいます」

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「丁寧にきちんと磨いても歯ブラシだけでは、50~60%の汚れしか落とせません。デンタルフロスを使用すると歯垢除去率が86%にアップするので、1日1回はフロスを使い、歯ブラシでは落とせない歯と歯の間の汚れまでしっかり落としましょう」

しっかり噛むと若返りホルモンが分泌される!?

ーー更年期以降、唾液が減ってドライマウスになりやすいというお話でしたが、ドライマウスを防ぐにはどうすればいいでしょうか?

「口もとの運動量を増やしましょう。そのために大切なのは、よく噛むこと。噛むことで唾液の分泌が促されるので、歯応えのある食材を選んで、しっかりたくさん噛んで食べましょう」

「噛む回数を増やすには硬いものを食べるといいと考えがちですが、硬いものより大粒の納豆、タコ、ドライフルーツ、おもちなどの弾力のある食べ物がおすすめです」

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「また、前回ご紹介したような顔トレを行って、口もとや舌をよく動かすことも、唾液の分泌を促します。よく噛んだり、顔トレを行ったりした時に分泌されるサラサラとした唾液には、成長ホルモンの一種である『パロチン』が含まれています」

「『パロチン』は若返りホルモンや美肌ホルモンとも呼ばれていて、肌を若々しく保つのに役立つと言われています。よく噛む&顔トレで唾液を増やして、ドライマウスを防ぎ、若々しい肌を保ちましょう!」

「あと、うつむいた姿勢で目線が下がると、唾液腺が圧迫されて唾液が減ってしまいます。また、舌の位置も喉の方へ低く下がりやすくなり、顔がたるむ原因にもなります。舌の位置が下がってしまうと、喉の詰まりが起こりやすくなり、誤嚥の原因になることもあります」

「スマホやノートパソコンを見ている時は、うつむき姿勢になりやすいので、意識的に背筋を伸ばして姿勢を正し、目線を上げる時間を作りましょう」

ーースマホ姿勢が唾液を減らす原因になるとは知りませんでした! 次回は、しっかりプラークコントロールをするための歯の磨き方やデンタルグッズ選びについて、具体的に教えていただきます。

【さとこ先生の新刊が発売されました!】

さとこ先生書影

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【石井 さとこ(いしい さとこ)先生 プロフィール】

石井さとこ先生

歯科医師、口もと美容スペシャリスト。ホワイトホワイト院長。日本に歯のホワイトニングを広めた第一人者。歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクに関するアドバイスに定評がある。2005年から2012年までミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクターからの要請で、歯をプロデュースするオフィシャルサプライヤーを務める。女優、モデル、タレントなどの信頼も厚い。著書に『マスクしたまま30秒‼︎ マスク老け撃退顔トレ』(集英社)などがある。インスタグラム:@satoko5331 『マスクしたまま30秒‼︎ マスク老け撃退顔トレ』(Amazon)

【前回の記事】
・舌の位置でたるみを予防?歯科医師に聞く「マスク老け解消法」

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