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解熱はNG?「葛根湯」の正しい飲み方&ひきはじめのカゼ対処法

つやプラ / 2015年11月27日 12時0分

朝晩急激に寒くなり、突然の気温の変化に驚いている人も多いのではないでしょうか。風邪ひきさんも増え始めているころかもしれません。今回は東京女子医科大学 東洋医学研究所の木村容子先生に、風邪の適切な対処方法を、古くから風邪に効果的として伝わる「葛根湯」の正しい飲み方を中心に教えていただきました。「漢方って身体に優しそう」と気になっていた方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

■風邪には「3つの時期」がある

漢方の考え方によれば、風邪は、初期・中期・後期の3つのレベルに分けて対応をするのだそう。それぞれの時期の主な症状としては、下記のとおり。なんとなく心当たりのある方も多いかもしれません。
・初期(1〜2日目):喉の痛み・ゾクゾクした寒気、頭痛、首筋のこわばり
・中期(2〜4日目):食べ物の味がまずく感じたり、食欲がなくなったりするほか、便秘や腹部の膨満感がみられることも。
・後期(1週間以内):なんとなく身体がダルい、といった倦怠感が残っている状態

■風邪のひきはじめ、「熱を下げる」のは間違い!?

木村先生によれば、風邪は体力の消耗の少ない「ひきはじめ」に適切な対処をとることで、無理なく回復ができるのだそう。そのため、風邪のひきはじめは身体を温めて免疫力をアップさせ、本格的な症状が出ないよう、治療するのがポイントになってくるのだとか。ところが、クラシエ製薬株式会社が2015年10月、20〜69歳の男女1,000人に行った調査によれば、風邪のひき始めの対処法として「解熱剤を飲むのは正しい対処だと思う」と回答した人は、およそ4人に1人。誤解をしている人も意外と多いのかもしれません。

■こう見極めよ!「ひきはじめのカゼ」特徴2つ

かかるかかからないか、ウイルスとのせめぎ合いの時を逃さず対処することが重要な風邪。そのサインとしては、「ノドちく」とも呼ばれる、のどに生じる違和感や寒気が代表的です。いわゆる「ゾクゾク」を感じてからでは遅く、木村先生いわく「ゾクゾクの『ゾ』を感じたくらい」で対処するのが理想的なのだそう。

■「葛根湯」ってどんな漢方?

風邪に効果的な漢方の代表、「葛根湯」。「麻黄(マオウ)」と「桂枝(ケイシ)」という植物を組み合わせることで強い発汗作用があり、身体を温めて自然治癒力を上げてくれると考えられています。首や肩のこわばりにも効果的と言われており、肩こりからくる頭痛の緩和も期待できます。

数時間でも効果に差!?「ひきはじめ」に服用すべし

葛根湯は本格的な風邪ではなく、「ひきはじめの風邪」にこそ効果があるということはご存知でしょうか。木村先生によれば「数時間〜半日の違いが効果に違いがあらわれる」そうですから、先述の初期症状を感じたときや、悪寒を感じる、汗をかかない発熱がある、首筋のこわばりを感じるといった「ひきはじめ」のタイミングを逃さずに服用することが重要なよう。

飲むだけでなく「養生」も大切に

漢方の考え方では、薬の効果を最大限に発揮させるためにも「養生」という生活方法が大切とされています。服用後はお粥など温かいものをとり、保温・加湿(50〜60%が理想的とのこと)を心がけ、お布団に入って身体を温めて充分な休養をとりましょう。

■「葛根湯」向いていないのはこんな人

葛根湯は発汗作用があるため、循環器疾患や消化器症状、排尿障害、甲状腺機能亢進症などの患者や妊婦さんは、服用前にお医者さんや薬剤師さんに一度相談してみましょう。また、「エフェドリン」という成分を含む感冒薬、鎮咳剤、解熱鎮痛薬との並用は注意が必要だそうです。

「胃腸」の調子がよくない人

木村先生によれば、食欲がないなど胃腸の弱りを感じるときは、葛根湯は避けたほうが良いとされているのだそう。

「中期」の風邪の人

風邪が本格的になった中期では、「紫胡桂枝湯(サイコケイシトウ)」「小紫胡湯(ショウサイコトウ)」など、中期の風邪に効果的な漢方の服用がおすすめのようです。

自分のコンディションや身体からのサインを見逃さず、早めの対処が肝心ですね。手洗いなどの予防もかかさず、長い冬を元気に乗り切りましょう。

(LAR編集部)

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